2009年6月10日 (水)

「アニメの殿堂」って必要?

とりあげないわけにはいかないホットな課題が「国立アニメの殿堂」。http://www.bunka.go.jp/bunkashingikai/kondankaitou/madiageijutsu/pdf/houkokusho_H210428.pdf

作品の収集・保管、人材育成、作品発表の場として、117億円かけて「国立メディア芸術総合センター」を都内に建設する、というものだ。

自分としては一部賛成一部反対、といったところ。

目的のうち、作品の収集・保管はぜひ行うべき。これは民間ではとても困難な作業で、国が担うべきことだと思う。アニメ産業振興に国は口を出すべきではない、との論者大塚英志氏もこの点だけは賛同している。

しかし、収集・保管に新たにハコモノを作る必要があるかは検討を要するだろう。昔々の作品はまだしも、DVDディスクの登場によりアニメソフト保管はスペースを随分とらなくなった。既存の5つの国立美術館の一部スペースや、別の公共施設を再利用する手もある。杉並アニメーションミュージアムのように、結婚式場の一部を改装して利用しているケースもある。

人材育成については、すでに東京都や杉並区等自治体で取組がなされており、国も新たに始めるとなると、施策が重複するのでどうだろうか。アニメ制作の熟練はオン・ザ・ジョブ・トレーニングでどうにかなる(御大富野由悠季談)そうだし、コミケや自主制作アニメの盛況ぶりからすると、オタクをはじめ人材はアマチュアにわんさかいる(笑)。

必要なのは、そういった意欲がある好人材がアニメ業界に入って働き続けられる環境を整備することだと思う。

たとえば、過去にも触れたが、直接業者の足腰を強くする政策、具体的には低利融資、家賃補助、ひいては介護業界のような返済不要の助成金等が考えられる。http://gogo-japaneseanime.cocolog-nifty.com/blog/2006/05/post_c177.html

貴重な税金なんですから、同じ額を使うなら効果的な使い方をしてほしいものですな。

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2009年4月22日 (水)

とにかく第1話2009年4月度編(下)

今期は時間帯が重なって録画取りできない番組が結構あり、どちらをとるか悩むなあ。続きいってみよう。

○タイタニア

田中芳樹原作。BSから地上波にまわってきた。未来SFもの。銀河帝国を代々裏から(?)支配するタイタニア一族の興亡を描く。艦隊戦を指揮官の視点から描いていて、なかなかの迫力。作画きれい。例によって登場人物は美男美女ばかり(笑)。

○東のエデン

オリジナル。「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」「精霊の守り人」の神山健治が監督・脚本。ホワイトハウスの外で警官につかまりそうになったヒロインが、主役に救われるところからスタート。記憶喪失のこの主役、携帯電話(このデザインが「STAND ALONE COMPLEX」を思い出させる)の相手から「救世主」と呼ばれている。SFと純愛(ノイタミナなんで)のミックスか?

○今日からマ王!3

原作つき。BSから地上波にまわってきた。ヒロイックファンタジー。ごくふつうの男子高校生渋谷有利が異世界に飛ばされて、強力な魔術を持つ魔王に。ゆるいギャグとハードな権謀術数ストーリーがうまくミックスされてる。お姫様ポジションの有利があらゆる男性キャラに過剰に愛されてるのは相変わらず(笑)。

○真マジンガー 衝撃!Z編

原作つき。原作ベースに、過去に放映された「マジンガーZ」とは若干違う展開になるらしい。第1話はいきなり最終回のような怒涛な展開。戦闘シーン迫力ありすぎ、キャラクターは個性ありまくり。第2話からは時系列に沿って最初から描くようだ。こういうシリーズ構成もあるんだなあ。23時台スタートは、オタク以外も視聴者として狙ってますよね。

○戦国BASARA

ゲーム原作。戦国大名とその家臣達の熱き1対1の戦いを描いている。伊達正宗と真田幸村がメイン。キャラクターはド迫力な強さと強烈な個性(誇張されて上杉謙信なんか女みたいにきれいだ)。クールアニメが売りのProduction I.Gが熱血アニメに挑戦?ここの制作会社は今期TVアニメ3本と最近多作になってきたな。

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2009年4月10日 (金)

とにかく第1話2009年4月度編(上)

4月アニメ番組のスタートラッシュである。全体的にジャンルが多岐に渡ってるような感じ。再放送が多いのも特徴。不況で新作に制作費を出してくれる製作委員会ができにくいのかな・・・

○バスカッシュ!

 オリジナル。「マクロス」の河森正治原案。近未来舞台?小型ロボットでバスケットボールをプレーする時代。主人公たちは月に憧れを抱いてるらしい。ポップな雰囲気な割にはストーリーが凝ってそうで、画面の書き込みが濃密、動きが激しいので、アニメを見慣れない人にはついていくのが難しそう。

○鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST

 原作つき。今回は入江監督、大野木シリーズ構成でスタート。原作準拠で行くのか?と予想されたが、第1話を見る限り前作(水島精二監督、會川昇 シリーズ構成)同様オリジナルなハード展開になりそう。錬金術が発達した仮想世界でエルリック兄弟が失われた体を取り戻すというおなじみなストーリー。

○Pandora Hearts

 原作つき。舞台は西洋現代?資産家の少年が後継ぎお披露目のため屋敷に招かれるが、地下で不思議な懐中時計を見つけると、不思議少女に夢(?)の中で出会う。この一家には過去に何か因縁があるらしい。ミステリー系かな。

○リストランテ・パラディーゾ

原作つき。舞台は現代イタリア。幼い頃母と別れた娘が、再婚した母の元を訪ねる。母はレストランオーナー夫人になっていた。このレストランは、従業員がすべて老眼鏡をかけた熟年男性。絵の雰囲気が、去年夏に放映していた「西洋骨董洋菓子店」風。女性向け、グルメものという点でも「西洋・・」を思い出させる。

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2009年3月21日 (土)

公取が関心をもったアニメ業界

少し前になるが、公正取引委員会が「アニメーション産業に関する実態調査報告書」を発表した。http://www.jftc.go.jp/pressrelease/09.january/090123houkokusyo01.pdf

公取というと、独占禁止法の監視者。消費者が高い商品を買わされて損をする分、隠れて価格協定を結んでいた同業者の企業が得するのを阻止する役割だ。

他にも、元請下請という有利不利が生じやすい取引を監視する役目があるそうだ(下請法に基づく)。今回の報告書は、元請アニメ制作会社と下請アニメ制作会社の関係に着目したもの。これらの会社のほか、DVD制作会社、広告代理店、TV局等利害関係者に広くアンケート調査を行い、分析している。

公取の本来的な活動は、上記の価格カルテル等の審判で、当事者からの申告をまって初めて開始される(要するに受身体制)。なので、このような公取が主導で行う報告書作成はめずらしいんじゃないかな。それだけ公取もアニメ業界に関心を持ってるということか。

元請下請関係については他の業界と似通った結果で、報道リリースでもとりあげていたのでここではアニメ界特有の件について。

以前から薄々感じていたのだが、やはり全体としてTV局が得をする構図になっていることがうかがえた。たとえば、アニメ作品の二次利用収益については、製作委員会で配分する前に局印税として一定額を先にTV局が持っていってしまうそうだ。また、TV局が製作委員会にほとんど出資していない場合でも過大な収益の配分を要求し、受け入れられなければ放送しない、といったこともあるらしい。

ネット配信が広がってきてはいるが、アニメ視聴の主力は依然TV。地上波キーTV局は6社しかないので、これはたいへんな圧力だ。全体の収益であるパイを増やせばTV局以外も潤うことは確かだが、やはり配分は重要である。

他に本報告書は、序論で制作過程の説明やら番組の著作権やら書かれており、(東京地裁で宇宙戦艦ヤマト事件とか超時空要塞マクロス事件の判決があるらしい 笑)読み物としても面白い。アニメ業界はめずらし業界なので公取にとっても新鮮だったんだろうなあ。

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2009年2月24日 (火)

無声映画の底力(ネタバレ注意)

文化庁メディア芸術祭会場で、アニメ部門大賞「つみきのいえ」(2008年、作:加藤久仁生、制作:ROBOT)を観た。

本作は、アヌシー国際アニメーション映画祭クリスタル賞(最高賞グランプリ)を受賞、先日はアカデミー賞短編アニメーション賞も受賞している。

老人がひとり、塔のてっぺんで暮らしている。朝起きたら床上浸水。屋根の上に上り、周りにれんがを積み上げて屋根の上にまた1部屋新たに作って、そこで暮らすことになる。新しい部屋の床下は水中に沈んでいる。

実は海水面が徐々に上昇し、家が水に浸かったら屋根に新たに積み木のように家を作る、ということを繰り返しているのだ。

老人が愛用のパイプを床下から水中に落してしまい、それを拾うため海中ダイビングで昔住んでいて今は水中に沈んでいる家を次々と訪れる。それぞれの家にそれぞれの思い出が回想シーンで流れる。

海中に潜るとたくさんの塔が林立していて、すでに頂上が海面下に沈んでいる塔も多く描かれている。家人が全員亡くなったか、よそに転居したのだろうか。海面上にいまだ暮らしている家はぽつりぽつりとわずか。地球温暖化は生活の場を奪うだけでなく、メンタル面で人間を孤独にする、なんだか過疎問題にも通じるような気がした。

海底に建つ一番最初の家で老人がワイングラスを見つける。すでに亡くなった若き日の妻と食卓でワイングラスを鳴らす回想シーンに、老人がひとりグラスを傾けるシーンが続くところがクライマックス。

地球温暖化問題をこんな形でアートにできるとは、と思った。本作は無声映画だが、お話の筋がきちんと伝わってくる。ストーリーボードがしっかりしているんだろう。無声映画にもかかわらず、というより無声映画だからこそ作者のメッセージがよく伝わるように思った。無声映画の底力を感じた。

華々しい評価に違わず秀作。オタクも非オタクも(笑)ぜひ一度ご覧いただきたい。とはいうもののこういったアートアニメはどこで観れるのかが問題だ。(アートアニメと商業アニメhttp://gogo-japaneseanime.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/httpanimeanimej.html)タイトルにつけたネタバレ注意の意味がないかも・・・

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2009年2月14日 (土)

遡ることの難しさ

劇場版「装甲騎兵ボトムズ ペールゼンファイルズ」(2009年、監督:高橋良輔、制作:サンライズ)を観てきた。

100年も戦争が続く遠い未来宇宙。前線の戦闘は、アーマードトルーパー(AT)という二足歩行のロボット同士の接近戦。ギルガメス軍精鋭部隊レッドショルダーのひとり、キリコはもう4人とともに特別部隊に編入され、あまりにも過酷過ぎる作戦に次々と参加させられる。

80年代前半のTVアニメシリーズ「ボトムズ」は、サンライズ制作リアルロボットアニメの代表として隠れた人気を博した。その後OVAで続編「赫奕たる異端」が作られ、今回の「ペールゼン・ファイルズ」は前日譚、要するに第1話から遡ったOVA作品の映画化である。

ファースト「ボトムズ」(「ガンダム」と同じ要領でいくとこうなのかな)は、クールなヒーロー・キリコ、ATの重量感ある白熱したバトル、洗練されたジャズアレンジのBGM、1クールごとに戦場となる舞台が変わるアドベンチャー要素、パーフェクトソルジャー・フィアナやゴウト達との交流を通じて段々と人間らしさを取り戻していくキリコや、彼自身の隠された秘密が徐々に明らかになっていくところ、等がみどころ。

「ペールゼン」では、ファースト「ボトムズ」で主にひとりで戦っていたキリコが部隊を組んで戦う連係戦に注目。他の4人の兵士もひとくせもふたくせもある個性的な人間で、最初はぎくしゃくしていたが、最後は「俺達は同じだ」と結束を誓い合うところはなかなかGOOD。

大量のバララント軍ATとの大作戦シーンはみごたえあり。本作はメカはCGでATに重量感がなくなんだかおもちゃみたいで物足りないのだが、CGだからこそ実現できたシーンなんだろう。

物語は、ウオッカムとペールゼンのやりとりのシーンと戦闘シーンが並行して進む。なぜキリコ達が過酷な作戦に参加させられるのか、だんだんと明らかになってくる。ファースト「ボトムズ」(「異能者」のあたり)がよりよく分かるので、ファーストファンにとっては美味しいと思う。続編はともかく前日譚を作ってもきちんとストーリーがつながっているのは、最初の設定とシリーズ構成がよほどしっかりしてないと難しいと思うので、この点制作スタッフに拍手を送りたい。

あのロッチナがこんなところに出てきたのか、という発見があります。また、女性キャラクターが脇役ででもついにひとりも出てきませんので(笑)、ご了承を。

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2009年1月24日 (土)

とにかく第1話2009年1月度編

1月スタートアニメ新番組の第1話をチェックしてみた。4月度と10月度は過去に取り上げたことがあるが、1月度は初めて。そういうわけで結構視聴継続が多そうだ(週視聴本数がまた増える・・・)。

○続夏目友人帳

 原作つき。夏に放映していたセカンドシーズン。妖が見える男子中学生夏目貴志が、友人帳にある妖の名前を返していくストーリー。友人帳とは、貴志の祖母が若い頃勝負して打ち負かした(汗)妖の名前が書いてあるらしい。舞台が山奥の地方都市で美術が秀逸。作画も第1期より丁寧な感じ。貴志につきまとう(笑)妖・ニャンコ先生(井上和彦が好演)との掛け合いが面白い。

○宇宙をかける少女

 オリジナル。「時をかける少女」の宇宙版?ヒロインの姉妹が多いためか女の子キャラがやたらと出てくる。謎の少女に出会ったヒロインがたまたま廃棄コロニー(ユニークな人工知能が主)に乗り合わせて、はて、これからどうストーリーを作っていくのかな。サンライズ制作で気合は入ってそう。

○明日のよいち!

 原作つき。剣道もの。山奥でずっと修行を積んできた少年が、下界(?)の都会に来て父親の知り合いの子ども達(そろいもそろって美人やらかわいい姉妹たち)とひとつ屋根の下で暮らす。なんだかよくあるシチュエーションだなあ・・・

○黒神

 原作つき。現代日本舞台のSFもの。ドッペルゲンガー(世の中には自分と同じ顔を持つ人間が3人いて、出会うと死ぬ)が基調。主役少年は母親がドッペルゲンガーに出会って亡くなっている。異世界から来た(?)格闘技抜群の少女が何やらなぞの組織と闘っていて、少年が巻き込まれる。ちょっとダークな感じ。

○獣の奏者エリン

 「精霊の守り人」の上橋菜穂子の原作つき。異世界ファンタジーもの。「とうだ」という獣使いの母娘が活躍するストーリー。主人公がこの娘でまだ小さいので、キャラデザも相まって、「精霊」よりは対象年齢がぐっと下がっている。色彩設計がきれい。

○源氏物語千年紀 Genji

 紫式部の原作つき。今年が千年紀の記念作品。監督出崎統風にアレンジするらしい(キャラクターデザインも)。美術秀逸。光源氏と藤壺って5歳しか離れてなかったのか・・・そりゃ間違い起こりますわ(笑)

○はじめの一歩 New Challenger

 原作つき。4年ほど前に放映した作品のセカンドシーズン。ボクシングもの。ボクシングといえば「あしたのジョー」だが、「ジョー」に比べはじめの一歩はゆるいギャグある明るい青春もの、という感じ。

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2009年1月 7日 (水)

ローゼン閣下

辞任してしまう前に(苦笑)さらりと。

麻生太郎および自民党に対する考えは2年前と変わらないので、こちらの過去のブログを。http://gogo-japaneseanime.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/post_73c4.html

ローゼン閣下の由来は「ローゼンメイデン」を羽田空港のVIPルームで読んでいたから、とのこと。たまたまVIPルームに置いてあった(なんでそんなところにあったのか不思議だ)漫画が「ローゼン」だったので、手にとってパラパラ読んだところを目撃されたのが真相らしい。特に愛読していたわけではなさそう。

金融危機対応で手いっぱいなので、オタク麻生太郎の真骨頂はいまだ発揮されずじまい。外務大臣経験からアニメ漫画で親善外交を、くらいか。

気をつけるべきは、麻生氏は過去に自民党青少年有害コミック議員連盟の役員をしていたこと。コミックの児童ポルノ規制に積極的な会だ。このような規制は慎重であるべきことは過去に一度とりあげた。http://gogo-japaneseanime.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_9685.html日本はコミックで児童ポルノが氾濫しているように言われるが、二次元児童ポルノを規制しているのはいまだカナダだけなのは知っておいていいだろう。

行政のトップとして、立法府の一員として、オタクとして(笑)、表現の内容規制(表現の自由制限で最も慎重に議論すべき分野)を考えるにあたって、十分に責任を果たしてもらいたいものだ(あんまり期待できなさそうだけど)。

なお、麻生氏が漢字読みが不得手なのをとらえて、オタクは漫画ばかり読んでて頭が悪い、との中傷がまたぞろ出てきている。しかし、周りのオタクを見まわすと、漫画をよく読む人は本もしっかり読む活字愛好者が多いので、むしろ非オタクよりインテリ(?)だと思う。ほんと世間てオタクに冷たいですよね~

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2008年12月15日 (月)

ルルーシュ復活派の主張

「コードギアス 反逆のルルーシュ」ファンの集まりに行って、ラスト、主人公ルルーシュが死んだか復活したかの話題が出た(というより自分が話題をふった 笑)。

自分自身は「ルルーシュは死んでるよ派」だが、「復活派」の主張を聞いてるとひとつひとつのシーン、セリフを読み解くのに結構参考になる。

なので、自分の頭の整理もこめて「復活派」の根拠をまとめてみた。ちなみに、参考にしたのは某巨大掲示板スレッドです。

○まず、「復活派」は「生きてるよ派」とは異なる。「生きてるよ派」は、うわさのあの馬車の御者がルルーシュで、C.C.とひっそり余生を送る、とのこと。「復活派」の主張は、とにかくいったん死んで他のコード継承者同様、生き返る。

○ルルーシュはいつコードを継承したか?シャルルパパはコードユーザーでありながら死んでいる(まあ、Cの世界と現実世界とはことわりが違うのかもしれないが)。ということは、あのシャルル・マリアンヌ・ルルーシュの理解しづらい親子禅問答の際、シャルルがルルーシュにコードを引き継いだのではないか。最終話、ナナリーがルルーシュの手に触れた際、ゼロ・レクイエムの真相を語る映像がナナリーの頭に流れ込んだ。以前C.C.が同様に自分の意識にある映像をルルーシュに伝えているが、これはコードユーザーでないとできないこと。

○ゼロ・レクイエムは、イエス・キリストの死と復活によく似ている。イエスは人間の原罪を一身に引き受け、それを贖うため十字架にかけられた(というより自らすすんでかけられた)。イエスは晩年、「自分は王である」と豪語したりして、ローマ帝国をむしろ挑発するような行動を故意にとっている。ルルーシュは「すべての憎しみを自分に向け、自分が消えることで新しい世界を創る」と言っている。

○R2TURN25でいったん落命したルルーシュは、そのまま第一期STAGE1冒頭につながる、それまでの記憶がなくなってもう一度生まれ変わり、また死んで生まれ変わり・・・という意味でルルーシュは不死になる、とのこと。

 ☆ナナリーの号泣とBGMのはざまに(かすかに)心臓の音が聞こえる、これが第一期STAGE1冒頭真っ黒のバックに赤字でタイトル名のシーン、心臓の音につながる。次に誰かの瞼が開いて青空が見えるシーン、この人物は生まれ変わったルルーシュ(枢木家に預けられていた10歳ころか?)。

 ☆ルルーシュが初めてC.C.に出会う直前、トレーラーのそばで彼女のまぼろしを見ている。これは前世(?)の記憶がかすかに残っている証。

 ☆ギアスをC.C.から授かる際、意味不明なシーンの中にシャルルが「ラグナレクの接続、神話が再び始まる・・・」と宣言するシーンあり。神話とはルルーシュの起こしたブラック・リベリオンからゼロ・レクイエムのことか。

 ☆初めてギアスを使った際、ルルーシュは「俺はずっと生きてるって感じがしなかった・・・」とひとりごとを言っている。繰り返される18年間の永遠の生を表現している?

 谷口監督は第一期STAGE1にすべてをつぎこんだそうだ。再度観てみると色々不思議で意味深なシーンがある。

○R2TURN25のサブタイトルは「Re; 」、R2はサブタイトルはTURN。TURN25の予告編はすべて第一期STAGE1のシーン。いかにも最初に戻ります、と言っているようだ。ついでにルルーシュのキャラクターソングタイトルは「Never End」。

○他にもV.V.がルルーシュのことを「呪われた皇子」と言っている。これも逃れられない18年間の永遠の生のことをさしている。

ほんと、「ギアス」って謎ときアニメなんですね~。

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2008年11月30日 (日)

日本アニメテーマパーク~実現可能性

ディズニーシーに行って、日本アニメのテーマパークって可能なんだろうか、と考えた。

素材となる作品数は相当なものだし、海外オタクからすれば日本は「夢の国」。秋葉原ガイドマップがでてきたとはいえ、海外オタクの観光客がゆかりのスポットをどうやってまわればいいのかなかなか分かりづらい。テーマパークだと「ここに行けばまるごと楽しめる」ので、とても分かりやすく便宜だ。

なお、テーマパークの実施主体はあくまで民間が担うべき。最近自治体が期間限定でテーマパークみたいなものを実施しているが、過去にブログで取り上げたように予算を組むほどの効果はないのでやめた方がいい。http://gogo-japaneseanime.cocolog-nifty.com/blog/2006/05/post_c177.html

実現のカギは①制作会社の垣根を超えられるか、②スポンサーがつくか、③アトラクションやショーのシナリオ作り、といったところか。

①東京ディズニーリゾートはもちろん、ディズニー制作作品しかとりあげていない。日本アニメで制作会社単独で辛うじて可能そうなのはスタジオジブリくらいだが、すでに三鷹の森がある。それにここは他社と比べ、のべ作品数がとても少ないので、間口が狭くなってしまう。国民的アニメのファン、燃えアニメファン、萌えアニメファン、クールアニメファンすべてが楽しめるように、できるだけたくさんのアニメをとりあげることが、成功、裏返せばリスク分散に必要だと思う。日本動画協会あたりにがんばってもらうしかないか。

②ディズニーシーでは、アトラクション、ショー、レストランに至るまですべて個別にスポンサー企業がついている。なんだか番組枠を提供するTV局みたいだ。「ガンダム」だったらSONYがついてるので大丈夫だろうが、多くのアニメ作品は利害関係者が複数の製作委員会方式なのでかなり難しそうだ。

③人それぞれだと思うが、なんべんも乗ったり観たりしたい、と思わせるアトラクションは案外少ない。予約チケットをとったり、何時間も待たされる割にはあっけなかった、という経験がある人も多いのでは。

ディズニーランドはキャラクターの魅力で押し切っている。入場客にはディズニーアニメをそれほど観ていない人も多い。それでもお客が集まるのはディズニーアニメのキャラクターに魅力があるからである。

なので、日本アニメでキャラクターを売りにしている作品はなんとか大丈夫か(萌えアニメ?)。問題はキャラクター性の薄い作品。

この点でユニバーサルスタジオジャパンが参考になる。ここでは「E.T.」以外キャラクター性で売る作品がないので、(成功しているかどうかはともかく)それなりにアトラクションに工夫のあとがみられる。

ディズニーシーもランドよりキャラクター性をおさえている。地中海沿岸やアラブなどの街並みを再現して雰囲気を味わえるようにしたり、作品とは直接関係のないショーやアトラクションもあり、これらはシナリオで勝負という感じだ。

とまあ、つらつら書いてみたが、すでに経済産業省あたりの官僚は色々考えているんでしょうねえ。

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2008年11月17日 (月)

アートアニメと商業アニメ

このブログでもとりあげた「スカイ・クロラ」(http://gogo-japaneseanime.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post.html)が、米アカデミー賞最優秀長編アニメーションノミネートの候補になった。これら候補中から3作品がノミネート、そのうちの1作品が受賞となる。http://animeanime.jp/news/archives/2008/11/post_586.html

「スカイ・クロラ」は、ヴェネツィア国際映画祭で日本からは他2作品とともに最高賞受賞を逃しているので、がんばってもらいたいところ。押井氏はふだんから、「(本当に観たい人)1万人が観てもらえばそれでいい」、とのこと。確かに観た者にとって良かったかどうかが重要で、受賞するかどうかはそれほど重要でないとは私も思う。でも、受賞すればライトなアニメファンも注目してくれるのでそれはそれでいいんじゃないかな。「攻殻機動隊」のビデオ売上が全米で1位になって国内で観る人が増えたのと同じように。

さて、アニメ専門の国際映画祭には、国際アニメーション映画協会公認のものでは、アヌシー、オタワ、ザグレブ、広島、がある。

過去に日本人作品では、山村浩二氏「頭山」「カフカ 田舎医者」、加藤久仁生氏「つみきのいえ」が最高賞を受賞した。自主制作をもとにしたアートアニメだ。

最高賞以外なら「紅の豚」「平成狸合戦ぽんぽこ」「時をかける少女」といった商業アニメも受賞歴があることはある。アヌシーでは最高賞を短編部門としている関係で商業アニメは受賞に不向きな感じ。

ふだん商業アニメを観ている自分を含めたアニメファンは、どれだけアートアニメに縁があるだろうか。川本喜八郎氏や「頭山」くらいは聞いたことがあるが、自分が実際に観たことがあるのは文化庁メディア芸術祭で会場で流れていたくらいしか記憶にない。受賞直後にNHKでオンエアされたりしたのかな?

同じアニメでも、商業アニメとアートアニメが別世界で存在しているようだ。これは日本特有なのか、外国でもそうなのか。山村氏はプロとしてもアニメ制作にかかわっているそうだから、商業アニメとアートアニメはなにがしか影響を与えあっているとは思うのだが。

それを1ファンが実感するにはアートアニメに触れる機会が絶対的に少ない。せっかくの芸術作品が埋もれてしまうのは実にもったいない。

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2008年10月29日 (水)

「グイン・サーガ」アニメ化決定

だそうだ。http://www.guinsaga.net/

70年代から連載スタート、当初100巻で完結する予定がすでに120巻を超している。日本のヒロイックファンタジー小説のさきがけなんじゃないかな。栗本薫氏作品のアニメ化も初めて。

かくいう自分は40巻台で脱落したのですが(笑)元原作ファンとしてはどんなアニメになるか気になるところ。

キャラクターデザインはいわゆる萌え系はやめて、とか美術は剣と魔法の物語らしく重厚な雰囲気に、とかキャストはちゃんと本職の声優に、とか希望は色々ある。

その中でも一番重要なのは脚本じゃないかな。100巻以上も続いているが、実はこの小説、説明書きがかなり多く(人物描写とか国の成り立ち・風土の説明とか)、この部分を映像やセリフで表現する必要がある。アニメ化成功の是非はここにかかってると思う。

制作は「マクロスF」や「アクエリオン」のサテライト。まあ、作品のよしあしは制作会社というよりスタッフにかかってるので・・・まずは来年春にむけて静かに期待しよう。

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2008年10月26日 (日)

とにかく第1話2008年10月度編

すでに10月期アニメ新番組がスタートラッシュしているが、めぼしいものをピックアップ、まとめてみた。

○魍魎の匣(もうりょうのはこ)

原作は京極夏彦の小説。50年代日本が舞台。女子中学生が駅のホームに転落、重傷を負う。この事故(事件?)の真相解明と、冒頭に出てきた美少女の頭部(写真?)が入った箱の謎解きもの。京極夏彦の小説を読んだことはないが、戦争直後の横溝正史風ミステリーは今までアニメであまりとりあげることがなかったので、まずは期待。

○スキップビート

原作つき。少女の芸能界出世物語。きっかけは、生活費をスターを目指す恋人につぎこんで応援していたのに自分を裏切っていたのがわかったから。ギャグ調のノリでテンポ良いが、主人公の本音のつぶやきナレーションが全編にわたって多すぎるので、アニメという感じがしないのだが・・・

○アリソンとリリア

ライトノベル原作。NHKBSから地上波におりてきた。舞台は戦争で対立していた2つの国が休戦協定を結んでいる仮想世界。飛行機パイロットの主人公アリソンが戦争を終わらせるための「宝物」を探す。ストーリーは結構硬派っぽいが、牧歌的雰囲気が漂うのはさすがNHK。

○機動戦士ガンダム00

オリジナル。セカンドシーズン。総じてファーストシーズンより面白くなっている。民間人で刹那のお隣さんだったサジがソレスタル・ビーイングに同行。「少年が戦争に巻き込まれてガンダムのパイロットになる」パターンになじみがあるからか、ロボットみたいだったガンダムマイスターのひとりティエリアが人間らしくなったからか?群像劇らしくなってきている。シリーズ構成が黒田洋介なのでそれなりの作品に仕上げている感じ。

○鉄(くろがね)のラインバレル

原作つき。SFロボットもの。いじめられっ子の男子中学生が空から舞い降りてきたロボットのパイロットになり、断然パワーを得る。格闘技系のアクションシーン多し。この主役がちょっと痛いので(強くなってやたら威張り散らす)、全体的な作品のイメージを落としている感じ。制作に板野一郎、谷口悟朗、平井久司が入って、主題歌はALI PROJET、坂本真綾と、豪華なラインナップ、かなり予算はかけてそう。

○黒執事

原作つき。舞台は19世紀後半ごろのイギリス。当主で実業家の10代前半の少年(やたらクセのある難しい主人)を、スーパーマン執事が完璧にバックアップ。飛んでくる弾丸を指でつまんでポイと捨てる芸当なんて、このセバスチャン(笑 執事によくある名前だ)は人間であるはずがない。コミカルだがタイトル通り先行き暗い展開になりそう。

○ミチコとハッチン

オリジナル。舞台は南米あたりか。脱獄者の母と娘の放浪話になるようだ。この母がスゴ腕肝っ玉。娘は神父がひきとって育てているが、ここの一家がやたらと性悪。制作側は女ルパン三世、女カウボーイビバップを目指してるのかな。

○夜桜四重奏(ヨザクラカルテット)

原作つき。舞台は古くから人間と妖怪が共存していた町。妖怪がからむ事件を特殊能力(?)を持つ4人組が解決する。コミカルな感じ。

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2008年10月18日 (土)

キッズアニメの難しさ

TVオンエアの録画どりしていた「あらしのよるに」(2005年、監督:杉井キザブロー、制作:グループタック)を観てみた。

ヤギのメイと狼のガブはある嵐の晩、雨宿りした小屋で偶然いっしょになり、意気投合、後日同じその場所で再会を約束する。真っ暗闇だったのでお互いヤギ、狼であることに気付かないままだった。再会した際お互いの姿にびっくり仰天するが、引き続き友達でいようと固く誓う。

メイとガブの密会(笑)はやがてそれぞれの仲間にばれてしまう。メイは狼が絶対に近寄らないエリアを、ガブはヤギの活動エリアを、お互い聞き出すよう仲間から言われるが・・・

ヤギと狼という、食う食われるの種の間での友情を描く物語。

最初にメイとガブがピクニックに出かける際、誤ってお弁当を落してしまったガブが空腹を抱えながら「すぐ傍に御馳走があるじゃないか・・・」と思いつつ、「いや、友達を食べるなんて・・・」、と悩む様子が面白い。結局仲間の元に帰れなくなった2匹は山向こうの新天地を目指そうとするが、途中吹雪に遭い食糧が尽きてガブに自分を食べて生き延びるようメイが諭すシーンはなかなか感動的。

だが・・・よく考えると絶対ありえないお話である。まあ、そもそもヤギと狼の間で会話が成立するはずはないが(笑)。自然界の厳然たる食物連鎖システムからすると、狼が情けをかけて目の前のヤギを食べないはずはない(逆に空腹時以外はそばに獲物がいても関心を示さない)。

と、大人は気付くだろう。となるとこの作品の言いたいことは、種を超えてさえ分かりあえるのだから、同じ人間だったら、人種、国籍、宗教、信条等を超えて分かりあえる、そこまでいかなくとも傷つけ合わないで共存できるはずだ、と、この辺なんだろう。

注意すべきは、本作はキッズアニメであること。原作が人気絵本シリーズで、教科書にとりあげられているそうだ。映画には文部省選定なんかついていたりする。ターゲットとしては幼児~小学生低学年あたりか。

素のまま本作を見せると「どうして狼はヤギを食べるんだろう。狼って非情だ。」、なんて印象を持たれかねない。特にガブが仲間を抜けた後、ボス以下の狼達がガブを「裏切り者」として制裁のため執拗に追い詰めるシーンは、子どもたちには結構刺激的だと思う。狼は生存のためヤギを食べ、裏切る仲間に制裁を加えて種の秩序を維持するのであって、別に存在自体が「有害」ではない。食物連鎖の構成員としてとる当然の行動なのだ。

大人がいっしょに見て解説を加える必要があるんじゃないかな。昔ジャングルに棲む動物たちを描くアニメを見て、「ライオンって酷いなあ。いなくなればいいのに」と思ってしまった子ども時代の反省もこめて。

キッズアニメって難しいですね。

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2008年9月28日 (日)

セリフの持つ意味

「コードギアス 反逆のルルーシュR2」(2008年、監督:谷口悟朗、制作:サンライズ、放映:MBS他)が終了した。

最終回は比較的きれいにまとまっていたんじゃないかなあ、と思う。こういう登場人物が多く設定が複雑な作品は、最終回がグダグダになるものが結構多い中敢闘賞を贈りたい。

独裁者が倒れても必ずしも世界が良い方向に向かうとはいえないと思うが、過去の苦い体験を教訓にして未来が少しづつでも進歩する、というのはリアル世界でも見られることだ。第一次世界大戦が終わって国際連盟ができ、原爆が使われて核廃絶・抑止の国際的枠組みができたり、等々。

父シャルルは「昨日を望み」、兄シュナイゼルは「今日を望み」、ルルーシュは「明日を望んだ」。何のことかよく分からなかったが、最終回を観て「明日を望む」とは、今よりもよりましな世界を目指すこと、それにむけて努力すること、のようだ。

このように本作はセリフの言い回しが独特。特にC.C.のセリフはすべてに意味がありそうだ。読み解いていくのもこれまた一興。

全体的にテンポよく無駄を極力省いたストーリー展開。ナレーションがなく説明不足との予想される反応を最後まで押し切った。複雑な設定が少々分からなくても、キャラクターの心情を追っていっても十分楽しめる。硬派なテーマにもかかわらずこれだけエンターテインメント性を保てたのには驚きだ。

また、本作はクライマックスシーンの見せ方が非常に上手い。フレイヤ弾頭に無効化弾を撃つシーン、ルルーシュとシュナイゼルの最終対決シーン、ルルーシュ落命のシーン等々。おおげさだったり無理あるんじゃないかといってもやはりお芝居なんですから(笑)。

制作スタッフ・キャストの声優さんにはお疲れ様と言いたい。

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2008年9月20日 (土)

BS熱中夜話

たまたまNHK総合を観ていたら「BS熱中夜話」で、70年代と80、90年代ヒーローソング特集をオンエアしていた。

BSで放映していたものを地上波におろしてきたのが、BSが入らない我が家にはラッキー。この「・・・夜話」シリーズには「マンガ夜話」「アニメ夜話」等あり、結構マニアックなテーマが選ばれるらしい。毎回その道(?)にやたら詳しい人がゲストに招かれてあれやこれやトークするという構成。

この回は、作曲家田中公平氏、作家唐沢俊一氏、女優加藤夏希氏(「ガンダムW」や「スレイヤーズ」のファンらしい)などが出演。テーマがテーマだけに、アニメ歌手もゲストに招かれ、70年代ではささきいさお氏、80、90年代では遠藤正明氏。スタジオで生歌を披露していた。両氏ともほれぼれする声で、あらためてアニメ歌手の実力を認識。

ヒーローソングの原点は、「俺が、俺が」の強い自己主張と、ロボットやら戦隊の名を歌詞の中で叫ぶこと。70年代はこれに忠実に作られていたそうだ。

80、90年代になり、悩むヒーローが出てきたり、ヒーローがひとりではなくみんなでいっしょに助け合いながら闘う、といったヒーローの多様化が進む。リズム・メロディも進化、歌詞も互いに励ましあうような優しいものが多くなる、とのこと。

田中公平氏はそもそも子どもの頃からのアニメ特撮ファンで、作曲でヒーローソングのエッセンスを意識的に取り込んでいる。「勇者王ガオガイガー」主題歌は70年代ヒーローソングの流れを組みつつ(「ガ」が歌詞に120回出てくる)、頻繁な転調という新しい要素を取り込んでいる。氏の自慢の部分は、♪ぼくらの勇者王♪の直前の1オクターブほど音程を上っていくところ、「自分は天才じゃあないだろうか」と思ったそうだ(笑)

ヒーローソングが少なくなって来ているのは、ソニーやらエイベックスなどの音楽メーカーがスポンサーや製作委員会に入ってきていることがあげられる(所属アーティストが主題歌を歌うことになる)。それとともに女性ボーカル曲が増えてきていることが大きい。

ヒーローソングが少なくなったのはオールドファンには寂しいのかもしれないが、その分色々な曲が出てきてより多くの人が楽しめるようになったのはよかったんじゃないかな。番組中で、加藤夏希が「残酷な天使のテーゼ」をそらで1コーラス歌うくらいなんですから。

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2008年9月 1日 (月)

真性オタクって?

「オタク学入門」(新潮文庫版2008年、著:岡田斗司夫)を読んでみた。

岡田氏は「エヴァンゲリオン」を創ったGAINAXを設立、その後評論活動、東大でオタク学講座を主宰、オタク解説の専門家として知られる。最近は激ヤセに成功、著書「いつまでもデブと思うなよ」を発売し、非オタク界でも有名になった。

氏によるとオタクは、①進化した視覚能力を持つ、②高性能のレファレンス能力を持つ、③飽くなき向上心と自己顕示欲を持つ、とのこと。

それぞれに自分をあてはめてみた(笑)。

①「ボトムズ」を観ていた頃、その回の作画監督が誰かエンディングテロップが流れる前に分かったなあ。

②自分はアニメジャンル以外でもコミックは多少、SFはかじっている程度、ゲームと特撮はわからない。ジャンルをクロスオーバーして制作者の暗号を読み取るレファレンス能力はそんなになさそうだな。

③作品のスタッフには注目するし、解説書読むのは好きだし、ゆかりの地を訪れるのは好きだし、その作品に影響を与えたものを調べるのは好きだし(「幼年期の終わり」とか今西錦司「進化論」は読んだ)、同人誌も買うし、作品論を語るのは大好きだ(だからこんなブログを何年も続けている)。でも、クーラーを我慢してまでLDーBOXを買ったりはしない(笑)。社会人をやってると天文学的な経済的、知性的、特に時間的投資はなかなか難しい。本書でいうところのオタク道を究めるたゆまぬ努力と精進が足りなさそう。

単にアニメをよく観ているだけでは、真のオタクではなく、単なるマニアにすぎないそうだ。総合的にみて自分はマニアなのかな。

さて、最近岡田氏は脱オタキング宣言をした。氏の言うオタク道を究める真のオタクがいなくなってしまったことと関係があるらしい。その経緯は同時期に発売された著書「オタクはすでに死んでいる」にあるのだろう。

真のオタクがいなくなったのは、現代では手軽にオタク趣味を入手できるようになったことが大きい。

ビデオが家庭に普及(性能がほんとに良くなった、昔はトラッキング調整に苦労したなあ)、聞き逃したセリフ、あまりにも切り替わりが速くて見逃したシーンはすぐに再生、確認できるようになった。ハードディスク付きDVDレコーダーが出て、ビデオテープの頭出しの準備も不要になった。録画予約にたったこれっきりしかボタンを押す必要がないとわかった時は脱力したものだ。DVDメディアにダビングすれば、ほとんど市販DVDソフトと変わりない画質でオリジナルDVDを作成できる。インターネットでは、番組公式HPで情報をチェックできるし、もっと濃い情報は2ch掲示板にあふれている。ヤフー等ポータルサイトトップページにアニメ情報が載っていたりもする。

昔はビデオデッキなんてそうそう手に入らなかった。アニメ雑誌も数えるほどしかなく(しかも月1回で結構雑誌としては高額だった)、目を皿のようにして番組欄からアニメ関連ラジオ番組を探したものだ。

そんなオタクにとって情報入手困難時代だからこそ、「スターウォーズ」のセリフ、BGM、効果音をすべて暗記して口で再現できるような真性オタクが出てきたんだと思う。

ただ、時代が変わっても真性オタクは細々とながら出てくるし、絶滅はしないと思うけど・・・。その場合、氏の言うライトなオタク、時々オタクがいてくれないとやっぱり困るんじゃないかな。だって真性オタクの話を聞いてくれる人がいないとさびしいでしょ。誰もいない大海原に叫ぶっていうのは(笑)。

今でも「エヴァンゲリオン」が何のことかわからない人や、「デスノート」を実写映画しか知らない人は多い(特に女性には)。非オタクはやっぱり現代でもメジャーだ。「宮崎駿って若い頃は赤旗青年新聞に漫画を連載してたんだよ」「名探偵コナンと魔女宅のキキは同じ声優がやってるんだよ」と話して、「へえ~」と反応してくれる人が必要なんですよ。

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2008年8月25日 (月)

ガンダム丸かじり

お盆に「ガンダムEXPO」を見に行って来た。

入場すると、最初のコーナーは「ガンダム」。作中では出てこなかった1年戦争開戦前後やシャアが活躍したというルウム戦役が、今回のイベント向けだろうか、止め絵のアニメシーンとして展示されていた。

「ガンダム」「Zガンダム」「逆襲のシャア」のストーリー説明と続く。左右にアムロサイドとシャアサイドに分かれて、それぞれの登場シーンとセリフが展示、代表的なシーンの映像が流れていた。「僕にはまだ帰れるところがある」、「若さゆえの過ち」等もはや伝説となった名セリフがちらほら。オールドファンにはやっぱりこの3作シリーズが人気なので、会場の最初の方にもってきたんだなあ。

モビルスーツ(MS)バトルの名シーン再現がジオラマで展示され、なかなかの迫力。プラモには興味がない方だが、この3作シリーズや他のガンダムシリーズの登場MSを順を追ってみてみると、徐々にフォルムがシャープになって、背中に背負うものが多くなり(羽みたいな形状のものやら等々)、足が太く(?)なっていくのがよくわかる。

歴代ガンダムの紹介。TVシリーズは「ガンダムX」まではずっと放映がテレビ朝日だったのが、「ターンAガンダム」でフジテレビ、「SEED」シリーズからMBS・TBSと結構変遷してきている。OVA作、映画含め放映順にOP映像を流していたが、「ガンダム」の頃から(その当時はセル映像)比べたら本当に作画がきれいになったなあ、としみじみ。

MSのコックピットに来場者が座れるというので、RX78ガンダムと(おそらく)ザクのものが用意されていた。並んでいるのは結構な歳の男性ばかり(笑)、赤ちゃん抱いて座っているお父さんもいました。

続いて最新作「ガンダム00(ダブルオー)」、この間まで放映されていたファーストシーズンの紹介。「00」って、キャリアが十分ありながら、なぜか今までガンダムシリーズに出演したことのない声優が一通り起用されたんじゃないかな、と気づいた(三木眞一郎とか藤原啓治とか)。10月スタートのセカンドシ-ズンの宣伝と続く。ファーストシーズンで戦死したロックオンが紹介されているのはどういうことだろう???

イベントの目的は「ガンダム」世代の30~40代にも「00」を引き続き見てもらおう、というところだろう。「SEED」シリーズは土曜日18時台という、多くの大人も在宅している時間帯にもってきて、ストーリーはともかく(笑)過去の大人ファンを結構呼び込んだ。http://gogo-japaneseanime.cocolog-nifty.com/blog/2006/02/post_31ba.html「00」もこの路線の宣伝パターンを踏襲している。

それにしても入場制限までしていて盛況の様子。79年から続編以外でも、異なるMS・キャラクター、異なる時代設定、異なる時間軸、別の制作スタッフを持って来て、ほとんど途切れなく世に送り出してきた「ガンダム」シリーズ、やはり継続は力なり。http://gogo-japaneseanime.cocolog-nifty.com/blog/2007/08/post_81b4.html

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2008年8月 7日 (木)

映像は語る

今夏話題作「スカイ・クロラ」(2008年、監督:押井守、制作:Production I.G)を観てきた。

戦闘機パイロット函南優一(かんなみゆういち)が戦闘機基地に新たに配属された。作中では、各民間軍事企業が国家から請け負って戦争を行っており、軍人はすべて企業の社員。パイロットは、戦死ないし殺されない限り永遠に歳をとらない遺伝子操作を受けた、「キルドレ」という「子ども」がついている。

戦闘機の型、自動車・電話などの小物や登場人物の服装からすると、第一次大戦と二次大戦の戦間期のようだが、遺伝子操作やパソコンのモニターらしきものがあるので時代設定はごちゃまぜという感じ。

基地の女性責任者草薙水素(くさなぎすいと 「攻殻機動隊」の草薙素子を想定してるのが明らか)の説明によると、世界は平和だが、人々が平和を実感するためには実体験としての戦争が必要とされているので、自分達は戦闘を行わされているのだ、とのこと。外交交渉決裂とか国家間の紛争解決に出撃がからんでいる様子はなく、敵基地に攻め入っても徹底的にたたかないで編隊が帰投するシーンが象徴的だ。

押井作品というと、論理整合的な膨大なセリフと、「イノセンス」のような過剰ともいえる濃い映像が特徴的。そこが魅力と言う人もいるが、難解というのが一般的なんじゃないだろうか。

本作では、登場人物自体おしゃべりでなく(笑)、映像はシンプルだが、セリフが少ない分、映像だけで表現するシーンも多い。ストレートに制作側のメッセージが伝わって来る。押井氏自身「素直な映画」と評しているが、こんな作品も作るんだ、とずいぶん印象が変わった。まるでピカソが若い頃普通の風景画を描いていたのを発見した思いだ。押井作品のクセが気になる人も入りやすいと思う。

ストーリーは、元パイロットのキルドレである水素の過去が明らかになるにつれ、優一の前任者と優一自身の曖昧な過去がつながってくる。キルドレは、歳を取らないので永遠を生きることができるが、終わりのない戦闘を続けなければいけない平和な世界でのいわば「生贄」。優一の「いつも通る道であっても昨日と今日では風景が違う」というセリフは印象的だ。

メインに声優を起用しなかったので一番心配していたのはキャストだったが、ほっと一息。実力派俳優を起用していたのか、なんとか演技の最低限レベルはクリアしていたと思う。http://gogo-japaneseanime.cocolog-nifty.com/blog/2006/03/post_1470.html

Production I.G作品は完全に対象を大人としているようですね。しかし、オタクでない大人はアニメを観ない、大人のオタクでProduction I.G作品を観るのは何割かに過ぎないし・・・、この路線で売れるんでしょうか??Production I.Gにお気に入りが多いからこそ心配。少なくとも、「実写作品に劣らない」とか「実写感覚で観れる」という宣伝ではダメでしょう。いかにもアニメは実写より格下、と独白してるようなもんです。アニメと実写は媒体が違うから同じ土俵では論じられないのですよ。

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2008年7月17日 (木)

自分の趣向を分析してみると

マイベストアニメ20を見て自分なりに趣向を分析してみた。

オリジナル 14本 原作つき 6本

オリジナルが多いのは予想できたこと。原作つきでも、うち3本はかなり原作と違う展開。オリジナルは失敗作も多いが当たると大当たりになる、というのが裏付けられたかな。

SF10本 ファンタジー6本 時代もの4本 

複数ジャンルにまたがるものも強引にどれかに分類してみた。やっぱりアニメの王道はSFですな。

70年代3本 80年代5本 90年代4本 2000年代8本

2000年代がまだ8年半しか経過していないにもかかわらず最多。最近のアニメは質が低い云々言われているが(私もそうかな、と感じたりしていたが)、数字を見る限りそんなことはなさそう。面白い作品の出現率は変わっていないんじゃないか。ただ、最近は絶対本数が増えた分、面白い作品の出現数が増えたのだと思う。

あと、おフランスものが3つランクイン。憧れの国は北欧なんだが・・・

あなたのマイベストアニメは何ですか?

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2008年7月16日 (水)

マイベストアニメ20(下)

○新世紀エヴァンゲリオン

http://gogo-japaneseanime.cocolog-nifty.com/blog/2006/02/post_2af7.html

http://gogo-japaneseanime.cocolog-nifty.com/blog/2006/02/post_1f40.html

http://gogo-japaneseanime.cocolog-nifty.com/blog/2006/02/post_4725.html

少女革命ウテナ

http://gogo-japaneseanime.cocolog-nifty.com/blog/2006/07/post_6252.html

巌窟王

2004年、監督:前田真宏、制作:GONZO。19世紀にヒットしたフランス小説「モンテクリスト伯」をベースに未来社会を舞台にストーリーが展開。2Dテクスチャリングは目がちかちかして最初はとっつきにくいが、フランス上流社会の絢爛豪華さをうまく表現、結果的に成功している。2/3くらいのところでショッキングなエピソードが出てきて、(感動と興奮で?)その晩あまり寝付けなかった。あまりにも印象に残る作品。

天空のエスカフローネ

http://gogo-japaneseanime.cocolog-nifty.com/blog/2006/06/post_7eeb.html

ヒカルの碁

http://gogo-japaneseanime.cocolog-nifty.com/blog/2006/05/post_2379.html

http://gogo-japaneseanime.cocolog-nifty.com/blog/2006/07/post_2a59.html

鋼の錬金術師

2003年、監督:水島精二、制作:ボンズ。原作つき。ただし、コミックスとは途中から全く別のストーリー展開。人体錬成という禁忌を犯して体の一部または全部を失った兄弟が、賢者の石(オールマイティみたいなもの)を求めて旅に出る。錬金術をアクションにしたのがグッドアイディア。等価交換という錬金術の大原則が、ストーリー最終段階で疑われてくるのが、なかなかいい味を出してる。

蒼穹のファフナー

2004年、監督:羽原信義、制作:XEBEC。オリジナル。設定が「エヴァンゲリオン」にとても似ている。しかし、「エヴァ」で最後語られてよくわからなかったこと(ATフィールドのある世界で人はどうやって他人と関わっていけばいいのか)を描いていて、「エヴァ」で消化不良だった人にはおすすめ。実際、プロデューサーが「ファフナー」と「エヴァ」で同じで、「エヴァ」のリベンジで「ファフナー」を創った、と言っている。ストーリー前半はいまいちだが、後半、シリーズ構成の冲方丁が自ら脚本を書いていて、加速度的に面白くなるので、根気強く見るべし。

ラ・セーヌの星

1975年、総監督:大隈正秋、制作:サンライズ。オリジナル。制作がサンライズなのに今気づいてびっくり。主人公シモーヌは平民の娘として育っているが、実は王妃マリー・アントワネットの異母妹。前半から中盤は庶民の目線からフランス革命前を描き、シモーヌは反アンシャンレジームの立場の義賊でもある。後半は冨野由悠季が監督に入って、王族の異母妹と義賊という相反する立場に悩み苦しむさまが描かれる。子どもむけに作られている(と思う)が、結構見ごたえのある作品。

シュヴァリエ

http://gogo-japaneseanime.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_ad76.html

○怪~ayakashi~化猫編  モノノ怪

http://gogo-japaneseanime.cocolog-nifty.com/blog/2006/03/ay_343f.html

「モノノ怪」は化猫編の薬売りがオムニバス形式のストーリーに毎度登場。人間の業(といったらいいんだろうか)を鋭く描いている。アクションとしても見ごたえあり、おすすめ。

http://gogo-japaneseanime.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/post_fab4.html

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2008年7月12日 (土)

マイベストアニメ20(上)

今回で通算投稿100回目。記念ということでお気に入りアニメ20をセレクトしてみました。この20作品の中ではランキングつけられません・・・。現在放映中とか未完でいったん終了している作品は入ってません。過去にブログでとりあげたものはURLクリックで読めます。

○御先祖様万々歳!(劇場版「MAROKO麿子」)

 オリジナル。1989年、監督:押井守、制作:スタジオぴえろ

 平凡な家庭四方田家に息子犬丸の孫娘を名乗る麿子が未来からやってきた。彼女の登場で四方田家は崩壊していく・・・。芝居仕立ての斬新な脚本・演出で「家族って何だろう?」と考えさせられる傑作。一般受けはしないがはまる人はおおはまりの作品。押井守の理屈っぽいところが気に入っている人にはおすすめ。

 

○うる星やつら2 ビューティフルドリーマー

http://gogo-japaneseanime.cocolog-nifty.com/blog/2006/06/post_5e16.html

○攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL

 原作つき。1995年、監督:押井守、制作:Production I.G

 脳以外機械化された公安9課所属草薙素子はある事件を追っていく中で、自分の存在の不確かさに悩み苦しむ・・・。海外でまず絶賛されて日本でも評価が上がったクールアニメの最高峰。押井守の理屈っぽいところとエンターテインメントが上手くミックスされた作品。http://gogo-japaneseanime.cocolog-nifty.com/blog/2006/05/post_cc79.html

○機動戦士ガンダムシリーズ

 オリジナル。シリーズ作品は多々あるが、いわゆる「ファーストガンダム」は1979年、監督:冨野由悠季、制作:現サンライズ。ストーリーは説明するまでもないだろう。ガンダムシリーズは違う監督が担当したり、異なる時系列の作品があったりする。総数は20近くあるんじゃないだろうか。モビルスーツが登場し、地球に住む人と宇宙に住む人の関わりを描く点ではどの作品も共通する。「ファーストガンダム」以外で特にお気に入りは「Zガンダム」「ターンAガンダム」「0080 ポケットの中の戦争」。ガンダムがなかったらオタクにはなっていなかったんだろうなあ。

○伝説巨神イデオン

 オリジナル。1980年、監督:冨野由悠季、制作:現サンライズ。地球人と異星人バッフクランのファーストコンタクトから無限力イデをめぐる攻防が描かれる。登場人物がすべて死んでしまうショッキングな結末だが、監督の言いたいことはすべて表現してるように思う。メッセージ性の強い作品。

○灰羽連盟

http://gogo-japaneseanime.cocolog-nifty.com/blog/2006/04/post_adb9.html

○宇宙戦艦ヤマト

 オリジナル。1974年、監督:西崎義展、制作:オフィスアカデミー。アニメで人間ドラマをやっている、と当時自分にとって衝撃的だった作品。これがなかったら大人になって普通にアニメを「卒業」していたんだろうなあ。

○装甲騎兵ボトムズ

 オリジナル。1983年、監督:高橋良輔、制作:現サンライズ。人類が宇宙で2大勢力に分かれ、100年もの間戦争を続けていた。アーマードトルーパーという小型量産ロボットのパイロットである主人公キリコは、戦うマシーンと化していた・・。超リアルロボットもののとっつきにくさが前面に出がちだが、キリコが徐々に人間性に目覚めていくところや作られた兵器人間フィアナとの関係など、ストーリーの中身は結構人間臭い。先入観なしに観ると気に入る人は多いと思う。

○千年女優

http://gogo-japaneseanime.cocolog-nifty.com/blog/2006/06/post_9c25.html

○蒼き流星SPTレイズナー

http://gogo-japaneseanime.cocolog-nifty.com/blog/2006/06/post_ef28.html

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2008年6月22日 (日)

よみがえるあの苦い記憶

秋葉原での連続通り魔事件、宮崎勤死刑囚の死刑執行と私達オタクにまたもや世間の目が厳しくなっている。

秋葉原事件での被疑者は報道ではオタクとされているが、今のところその真偽ははっきりしない。誰でも子どもの頃一時期は漫画のひとつやふたつに熱中するし、熱中するあまり、加藤被疑者のごとく自分で漫画絵を描く人も多いからだ。

アキバ事件の直後に宮崎死刑囚の死刑が執行されたことで、「そういえば宮崎もオタクだったな。オタクってやっぱり何しでかすかわからない得体の知れない人種だな。」という偏見がよみがえってきている気配だ。法務大臣はオタクを敵視しているんじゃないかと勘ぐりたくなる。

事件の被害者には一日も早い体と心の回復を願いたいし、亡くなった方々への哀悼の意を捧げたい。犯人には厳正なる処罰を求めたい。

だからといって加藤容疑者や宮崎死刑囚をオタクの典型としてあげるのはいかがか。どんな趣味の分野でも特異な人はいる。オタクは自分勝手だとか、協調性がないだとか、人とかかわるのが下手だとか言われるが、周りを見まわすとむしろ逆なような気がする。

コミケやらイベントやらアニソンライブやら同人誌作りやらで(笑)むしろ他人といっしょに行動することが多いようだ。たいていの人は穏やかだし他人に気配りを欠かさない。

80年代黄金期(下)http://gogo-japaneseanime.cocolog-nifty.com/blog/2006/06/index.htmlでも述べたが、当時宮崎事件の与えた影響はとても大きく、これ以降表だってはアニメを見ている、なんて公言できなくなってしまった。今回はどうなるだろうか。

2000年前後から、海外で日本アニメの評価が高まったこと、ビジネスとしてアニメ産業が注目され国家戦略として語られ始めたことで、以前ほどアニメオタクはその素性(?)を隠さなくてもよくなってきた。今回の事件が起きてなお、オタクが生きやすくいられるかどうかは、ここ近年のアニメビジネスブームが上っ面だったかどうかと関係してくると思う。

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2008年6月14日 (土)

児童ポルノ規制・雑感

児童ポルノ禁止法改正案が与党から国会へ提出された。内容は、「自己の性的好奇心を満たすためみだりに所持すること」が新たに罰則つきで加えられた。

今のところ、他人に提供する目的で所持すること、広く人の目につくよう公然陳列すること(たとえばネット上で公開したりすること)が罰則対象となっているので、処罰対象が広がった形だ。

改正案には、附則で漫画・アニメの「準児童ポルノ」の与える影響について政府が調査・研究、改正法施行3年後に規制を検討する、という項目が入った。これは非常に警戒すべきところだ。

というのも、日本漫画やアニメは、外国人から見ると顔は童顔だが体格は立派な(苦笑)キャラクターが数多く活躍、ヌードシーンなんかもファンサービスで出てきたりするので、規制のやり玉にあがりかねないからだ。

児童ポルノ禁止法は、撮影される児童の権利保護が目的。たとえその児童の同意があったとしても、強姦罪で児童の同意が無効となるのと同じ趣旨で、権利保護が目的で立法されるなら異論はないだろう。

しかし、漫画・アニメキャラは実在しない人物なので権利保護云々を想定しえない。キャラクターのヌードまで規制したいのなら、法律の目的に「善良な性風俗秩序の維持」だとか「所持者の嗜好の矯正」だとか、おどろおどろしいものまで持ち出しかねない。

確かに児童ポルノコミックに顔をしかめる人は多い(内閣府調査では「規制に賛成」6割)。だからといって刑罰を以て法規制するのではお話が質的に変わってしまう。刑罰権の行使は他にとれる手段がない場合の最後の手段として必要最小限度におさえるべきだ。こういったことは、道徳の世界で神の裁きにでも委ねるのがいいんじゃないだろうか。人間が手を下す範囲を超えてると思う。

死刑制度存廃論議でもいえるのだが、法と道徳はごっちゃにしないで冷静に考えるべき問題だと思う。

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2008年6月 1日 (日)

協働作業

大島ミチルが音楽を担当している「シュヴァリエ」のサウンドトラック集を聴いてみた。「史実とフィクションの間」http://gogo-japaneseanime.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_ad76.htmlで触れたが、フルオーケストラのクラッシックで18世紀フランス、ロシア、イギリスの宮廷を舞台とした本作にふさわしく、完成度が高い。

アニメ作品は主題歌だけでなくBGMにも力を入れている。入場料収入が入る映画ならまだしも、その収入がないTV作品であっても結構予算もかけている。「シュヴァリエ」のようにフルオーケストラで演奏するケースも結構多い。海外にまで出かけて収録する例もある。アニメでのBGMに慣れていると、実写TVドラマは平板に聴こえアニメほどには音楽に力を入れていないことがよくわかる。

たいていの作品はサウンドトラック集を独立して販売して、(たとえボーカル曲が収録されていなくても)結構売れている。90年代に「エヴァンゲリオン」のBGM集がオリコンチャート1位をとったことは当時衝撃的だったそうだ。

さて、「シュヴァリエ」では、先にアニメのシーンを作ってから大島氏が作曲したそうだ。通常、BGMは制作の初期の段階で、監督からメインテーマ、喜びのシーン、哀しみのシーン、戦闘シーン、など抽象的な指示が出るのみで、本作のようなケースはめずらしいらしい。

実際に出来上がったフィルムにどのBGMをどのシーンで使うかは、音響監督が決めるそうだ。あのシーンが感動したのは、あのBGMがかかっていたから、という記憶を持っているオタクは多いはず。

このように、音響監督は演出上かなり重要なポジションだ。他に声優のアフレコ現場指導、はてはキャスト起用を決定することもあるらしい。ちなみに「シュヴァリエ」の音響監督は郷田ほづみ(「ボトムズ」で懐かしく感じるオタクも多いはず)で、ベテラン声優が就くことも多い。

以前指摘した色彩設計もそうだが(「作品のカラーを決める仕事」http://gogo-japaneseanime.cocolog-nifty.com/blog/2007/11/post_00a3.html)、音響監督といい、つくづくアニメはいろんな立場や役割を持った人が参加する、総合芸術(とまではいえないかもしれないが 笑)だと思う。

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2008年5月24日 (土)

「図書館戦争」はありうるか

「図書館戦争」(2008年、監督:浜名孝行、制作:Production I.G、放映:フジテレビ他)が周りで結構評判が良い。

舞台は近未来日本。「メディア良化法」が制定され社会に「悪」影響を与える書物は発表が制限されている架空社会。良化隊という公的な武装集団が「検閲」と称して書店で悪書を摘発する。図書館はこの法律の適用外らしいが、良化隊も何かのきっかけがあれば図書館へ武力攻撃したりする。図書館も対抗上武装しており、銃撃戦になることもある。

悪書を燃やす消防官を描いたSF古典、レイ・ブラッドベリ「華氏451度」を思わせるストーリーだ(ちょうど2週前はこの作品をめぐるエピソードだった)。「悪書」とは何かはっきり描かれていないが、アニメ第7話までの段階では、権力側に都合の悪い書物らしい。良化隊が街の書店にいきなり入りこんできて片っぱしから本を回収しているシーンは、ろくに中身も読まないで悪書か否か適当に現場が判断しているさまを描いていて、とても不気味だ。

と書くとなんだか固いアニメだなあ、と思われるが、図書館最前線部隊タスクフォースに初の女性として配属された、新米図書館員笠原郁の熱血成長物語として描かれているので、テンポよくとてもなじみやすいストーリーになっている。

さて、図書館というと管理運営はほとんど地方自治体。良化隊は法律に基づいているのだから国の機関なんだろう。「図書館戦争」での日本は地方自治体と国が戦闘状態に陥っているという、現状の日本からすると信じられない世界だ。

というのも、日本は世界の先進国の中でも非常に中央集権的で、現状の日本では良化法に反するような地方行政は不可能だからだ。地方行政の指針である条例は法律の範囲内で制定されるにすぎない。三位一体改革で使い勝手がいい使途自由な地方交付税交付金のみが削られており、地方財政はかなり苦しい。図書館の予算も切り詰められており、本作品のような結構な重装備(今の警察より近代的装備っぽい)を備えるのは難しい。

どうやら「図書館戦争」の日本は、現状の日本より地方自治体が権限も自主財源も持っている世界のようだ。図書館に武装を許す自治体住民の支持もバックにあるのだろう。

放映スタートした頃、映画「靖国」の一般公開をめぐって騒動があったことからして、表現の自由をいかに守るか、時機を得た作品だと思う。

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2008年5月 5日 (月)

数字に捉われる日本人

採点つきカラオケに初めて行ってきた。もちろん歌う歌はアニメソング。

利用した通信カラオケは、99.999点満点(なんで100点じゃないんだろう?)。音程、声量、リズム感、ビブラート等の採点基準で総合評価を受ける。

歌い慣れた曲を選んだつもりだったが、最初の1、2曲目は緊張して声は震えるわ、マイクを持つ手は震えるわ、いつも通りに歌うのは結構難しい。歌っている間、その月に同じ曲を歌った人の間でランク付され、ランキングが上がったり下がったりする表示が出て(現在20位とか)、気になってしょうがない。

ちなみにその曲を歌っているプロに歌わせると意外と高くない採点だそうだ。機械が聴いて上手いと判断するのと、人間が聴いて上手いと感じるのに多少ズレがあるらしい。

最後にその曲の1位から3位まで表示されるが、かの有名な「残酷な天使のテーゼ」はなんと99.999が何十人も並ぶとのこと。歌いに来るのはアマチュアだろうから、どう機械が上手いと判断するか研究しつくした成果で、これも数あるひとつのオタク道を究めるということだろう。

さて、団体戦で総点数を競う形だったから高得点を狙う動機づけがあったのは確か。それを差し引いても、学校時代のテストの点数や運動会の順位争いに燃えた感覚がよみがえってきました。

単に数字にすぎないとわかってはいるが、自分も日本人の数字信仰の呪縛から解放されてないんだなあ・・・

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2008年4月19日 (土)

とにかく第1話2008年4月編(下)

つづきいってみよ~

○隠の王

原作つき。忍者もの、といっても舞台は現代。何か貴重なパワーを持つ男子中学生をめぐり、忍び達の闘いが描かれる。アクションシーンはなかなか見ごたえがある。学校の担任の男性教師が護衛役で護られるのが主役の男子中学生。こういうのも最近の傾向なのかな。

○ソウルイーター

原作つき。ファンタジーもの。悪魔使い(?)の見習の少女と、変身すると大きな刃(死神がよく持ってるあの刀)になる少年がコンビを組んで、敵の魂(ソウル)を集めていくアドベンチャー風ストーリー。少年少女の成長物語っぽい。

○ヴァンパイア騎士

原作つき。舞台は昼間部は一般学生、夜間部は昼間部の学生には秘密だが実はヴァンパイア学生という全寮生学園。主役で同学園の昼間部学生でもある理事長の娘は真実を知っており、トラブルを防ぐために奔走する。ヴァンパイアものなのでミステリアス&エロチックな雰囲気。

○モノクロームファクター

原作つき。ファンタジーもの。主役の男子高校生とその陰(人間には見えない)が組んで超常能力(?)でもって闘う物語。今期はコンビ組んで闘うストーリーが多いな。全体的にギャグ調。

○RD洗脳調査室

オリジナル。SF。潜水士が海底で超常現象に見舞われて事故に遭う。その何年後かが舞台となる。その潜水士とその事故の原因解明にあたっている科学者を中心にストーリーが展開する。電脳世界と海底世界をリンクさせてる(?)。舞台設定理解が難しそう。

○図書館戦争

原作つき。SF。舞台は図書良化法(?)が制定された日本。武装した「良化部隊」が「悪書」を検閲として没収する。図書館は良化法の適用外だが「良化部隊」への対抗上司書が武装している。主役は子どもの頃読みたい本を「良化部隊」から守ってくれた図書館司書に憧れて志望した女性。「良化部隊」も図書館も同じ国内の公共機関なのに武力対立までするのか?と設定に多少無理があるが、制作サイドのメッセージ性は感じられる。主役が勤務している「関東図書館」は館内が国会図書館そっくりなんだが。

○二十面相の娘

原作つき。ストーリーのベースはかの有名な江戸川乱歩の「怪人二十面相」。主役はその二十面相にさらわれた少女。さらわれたというより「ここではないどこかへ行きたい」と自ら志願。これから一緒に盗賊稼業するらしい。二十面相がスマートな中年男性として描かれている。

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2008年4月 9日 (水)

とにかく第1話2008年4月編(上)

4月新番組ラッシュである。第1話を見ないとストーリーについていけないので、とりあえずHDDレコーダーにめぼしい番組を録画、チェックしてみた。今期は趣味に合うのが多そうで嬉しい悲鳴だ。

○×××Holic 継

原作つき。怪もの。1年くらい前に放映していたシリーズのセカンドシーズン。望みをかなえるかわりに「対価」を要求するお店の女主人侑子と、そのお店にバイトで働く高校生でアヤカシを引き寄せてしまう四月一日君尋を中心にストーリーが展開する。いきなり「対価」が視力を奪われること、と前シーズン以上にハードな展開。笑いを誘うシーンもあるが、全体的にクール系かな。

○マクロスF

オリジナル。80年代前半放映の「マクロス」シリーズ。「マクロス7」等とつながりはあるのかな?可変ロボット戦闘機、歌姫、三角関係は健在。主役男性キャラが女性みたいにきれいというのは今風だな。あまりにも画面が濃密で・・・ストーリーはともかく(笑)、スタッフの気合は十分感じられる。

○精霊の守り人

原作つき。1年ほど前にBSで放映されていたのが地上波に移ってきた。舞台は仮想江戸時代?生命を王に狙われている王子(不思議パワーを持ってる様子)と、女用心棒の旅が始まる。護衛するのが女で護衛されるのが男というのが新鮮。キャラデザイン写実風。クール系。Production I.Gは最近クール系が多いなあ。

○コードギアス 反逆のルルーシュR2

オリジナル。SFロボットもの。1年半前のシリーズ、去年7月スペシャルの続編(「継続は力」http://gogo-japaneseanime.cocolog-nifty.com/blog/2007/08/index.html)。スペシャルの25話とのストーリーのつながりがはっきりしない。ルルーシュとスザクの対決はどうなったんだろう??ルルーシュの妹が退場して、いきなり前作に影すらなかった同父母の弟が登場していた。これからどう解明されていくのかまずは期待。前作に輪をかけてセリフが大仰になってた。ますます歌舞伎路線が強くなってます(笑)

○秘密 トップシークレット

原作つき。原作漫画家清水玲子作品初のアニメ化。掲載誌「メロディ」作品でも初のアニメ化じゃないかな。近未来日本で被害者の脳から生前見ていた映像を再現、犯罪捜査に生かす捜査班の活躍を描く。いきなり第1話からオリジナルストーリーに果敢に挑戦している。ただ恐れていたことだが、やはり薪:関智一、青木:浪川大輔はミスキャスト。もちろんふたりとも実力声優だが声質があってない。作画も一番完成度が高いはずの第1話でこの程度では先が思いやられる。ストーリーを楽しむことに専念しよう。

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2008年3月31日 (月)

共存共栄

動画投稿サイトYou Tubeをのぞいてみた。今まで噂にはよく聞いていたが、のぞくのはなんとなく気がひけていたのが正直なところ。

というのは、どこで入手したのか公式アニメ画像があふれているのだ。第○○話がそのまま流れている作品もある。以前ふれたようにアニメDVDソフトはべらぼうに高いので、http://gogo-japaneseanime.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/post_07ca.htmlオタクがネットと「仲良し」なのも相まって「盛況」だ。

TV局ないし制作会社の了解を得ているはずもなく、明らかな著作権法違反。にせブランド物を故意で購入するのが違反に加担するのと同じく、違法画像を観るのも違反に加担するようなものだ。

と言いつつサイトをのぞいてみると・・・結構よくできているし面白いものもある(苦笑)。

ある作品の主題歌を他の作品の映像と組み合わせると意外とマッチングしていたりする(こういうのをMAD画像という)。無論アメリカ生まれサイトなので外国人作品も多く、彼らが日本アニメのどこに魅力を感じているのかうかがい知れる。

思い返すと、アニメ作品を取り扱う同人誌も似たようなことをしていたものだ。こちらはキャラクターやらをコピーしたものをそのまま使わない限り、限りなく公式映像に似た絵ということで、辛うじて著作権法違反はまぬがれる。その点You Tubeはそのままの公式映像が出てくるので、似せ方が究極的に「進化」した形だ。

同人誌が摘発されなかったのは限りなく似ているけど異なる絵という理由だけでなく、制作サイドがお金をかけなくても勝手に宣伝してくれるから、という理由もある。よく名の知れた国民的作品でもない限り、その方が制作サイドにとって好都合なんだろう。これは原作を持たないアニメでは相当力強い。

さらに最近は二次創作をオフィシャルで募っているところもある。http://www.openpost.jp/ファンの創作パワーをコンテンツ産業発展の見地から肯定的に捉えたひとつの例だ。

そういえばレンタルレコード店が出てきた頃、音楽文化の破壊、と悲観し徹底的に取り締まっていた時期があった。その後レンタル店に一定の拠出金支払いを義務付け、一件落着となった。今も音楽そのものが衰退なんて状況にはない(CDは売れなくなってきているそうだが)。

安く手軽に作品に触れる機会を増やすことと、著作権者の権利保護が共存共栄できるような方策をなんとか編み出してほしいものだ。

追記:と投稿した直後、3日前くらいにJRCが、You Tubeの親会社Googleと楽曲使用の包括許諾契約を結んだ記事を発見。音楽については違法状態解消にむけ交渉が進んでいる様子。アニメ画像はどうなるんだろうか?アニメにとって画像は核心部分だから音楽より難しそうだな。

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2008年3月16日 (日)

史実とフィクションの間

フランスアニメの次はフランス舞台の日本アニメ「シュヴァリエ」(2006年、監督:古橋一浩 、制作:Production I.G、放映:WOWWOW他)。シリーズ構成を冲方丁が担当しているので注目していた作品だったが、BSなのでレンタルで視聴、全24話のうち22話まですすんだが予想通りの佳作だ。

主役のデオン・ド・ボーモンは18世紀から19世紀に実在した騎士で外交官。外交交渉でしばしば女装していたことから、作中ではフィクションで実姉のリア・ド・ボーモンも登場させた。この姉が謎の死をとげたことから、その原因を突き止めるため、また、忠実な国王のしもべとして、姉の遺志を継いで同じ任務を全うするため、デオンもルイ15世直属の機密外交官となる。王の命令は、王家の秘事が記されているという、「王家の詩」を取り戻すことだった。

見どころはとても多い。リアの魂は、時々デオンの身体に降臨して旧約聖書の詩篇を唱えながら剣をふるう。「変身」した後はとんでもなく強くなる。「報復する」と言っているので自身の死と関係がありそうだ。弟デオンはリアをとても敬愛しており、なんとかさまよえる彼女の魂を鎮めたいと思っている。デオンに襲い掛かってくるのは、詩篇を駆使して人や動物をあやつる「革命教団」(ご愛敬なネーミングだ)。どうやら啓蒙主義派ないし反ルイ15世派といったところ。デオンと行動をともにするのは、姉弟の剣術の師テラゴリー、リアの元同僚デュラン、王妃の小姓ロビンと個性豊かな面々。

ストーリーは今現在佳境で、愛国心とは、国家への忠誠とは、祖国とは、と何度も繰り返し問いかける、結構重厚なテーマだ。同時に、日本ではこの時代は「ベルばら」で詳しい人が多いので、史実とフィクションの微妙な違いを楽しめるんじゃないかな。

詩篇の朗読のくだりは、セリフの言い回しがきれいで上手い冲方丁の本領発揮といったところ。クラッシック調のBGMも、「鋼の錬金術師」で定評ある大島ミチルを起用したので安定している。実在した人物が登場する作品では、キャラクターデザインは本作のような写実的なものが正解なんだろう。

謎解きもの、剣術もの(アニメーションでは動きがとても映える)、変身もの、姉弟愛もの、ユニセックスもの、SFオカルトもの、歴史もの、冒険もの、どれかにひっかかる人はおすすめ。WOWWOW放送でオタクの間でも意外とあまり知られていないが、間口はとても広くエンターテインメントとして十分通用する。あと最終2話だが、このままいくと歴代10傑に入りそうな予感。

オープニングはとばさないでちゃんと観てください。意味深なので(笑)。

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2008年2月24日 (日)

テヘランは昔ペルセポリスだった

一度観てみたいと思っていたフランス商業アニメ映画、「ペルセポリス」(2007年、監督:マルジャン・サトラピ)を観てみた。

舞台は70年代末イラン首都テヘラン。マルジはロックファンのはきはきした活発な少女。イスラム原理主義革命が起き、国王は国外へ逃亡する。酒やディスコは禁止、スニーカーをはいていると町の自警団からにらまれる。マルジ達女性は外出中頭からスカーフをかぶることを強制される。

学校では革命により市民が解放されたと教えられているが、マルジは数字をあげてそれがウソだと反論、家族は校長から電話で注意を受ける。マルジの祖父は過去に政治犯として命を落しているし、叔父も長年投獄され革命後コミュニストとして処刑されたのだ。処刑直前にマルジは叔父に面会しており、幼い彼女の脳裏に強烈に記憶が焼き付いているのだろう。

マルジの将来を案じた家族は、彼女をウィーンに留学させることにした。この時マルジ14歳。フランス語学校で得るものも多かったが、体を壊した彼女はその後イランに帰国し大学に入学、結婚もするがうまくいかず離婚。一度欧米体験した身には、ますます原理主義と生活統制がきつくなったイランは肌に合わなかったようだ。二度と母国へは帰らないと決意し、今度はフランスへ旅立つ。

ストーリーは監督の若い頃の実体験とのこと。現在フランスでグラフィックノベルを創作中、文化と政治の国フランスの香りが漂う映画だ。

周りの環境の変化がいかに思春期の少女のメンタル面に影響を与えるか、感じさせられる。イランにいたら不自由で疎外感を感じ、外国にいれば自由ではあるけれど毎日戦争や生活に苦しむ同胞に後ろめたさを感じる、というマルジの独白はとても印象的。

それでも彼女はかなり裕福な家庭だから(2度も海外留学させられるくらい)、恵まれている方ではある。ウィーンに留学したのが本人に目的(芸術家やサッカー選手を目指すとか)がなく、緊急避難的だったから根なし草になってしまうのもうなずける。母国で思春期に同世代と志を同じくする機会がなかったのが不運なんだろう。思想信条、表現の自由、複数の価値観への寛容精神がいかに大切か、あらためて感じた。

作画は細かい線を省いたデフォルメしたデザイン。デフォルメすると顔の表情の変化がかえってはっきりしてわかりやすく、キャラクターへの感情移入がしやすかった。実写で作ると全体的に暗い印象のストーリーがますます暗くなるので、アニメでコミカル、ユーモアたっぷりに作ったのが成功。

これだけ書くとイランはとても「遅れた」国との印象がある。しかし、マルジをはじめ女性の地位は結構高く、大学は男女半々(映画のシーンで出てくる)、専門職につく女性も非常に多いそうだ。一族に政治犯が出ても特に当局から監視されているわけでもなく、マルジは自由に母国と海外を行き来している。密告や盗聴のシーンもなかった。この点、北○鮮や戦争中の日本よりはましなんじゃないかな。

イスラム世界と欧米を知る良いきっかけの佳作だと思う。

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2008年2月17日 (日)

消費者の言い分

アニメDVDソフトの売上が、一部タイトルでは採算が取れないくらい落ちてきているそうだ。TVアニメ番組の数の多さからすると十分予想できる事態で、それでもほとんどのタイトルは採算がとれるということだから、アニメDVD市場が「崩壊した」アメリカ市場に比べまだまだ日本市場は「健在」ということになる。

そもそもTVアニメのDVDソフトは高価すぎる。2話分で6000円近くのものもある。地上波で観るのは無料だったのだから、なんだか割り切れない。それでもファンは買ってくれる、との制作者サイドの判断があるのだが、オタクは足元を見られてるんだなあ、とつくづく感じる。

劇場版アニメは例えば3時間近くで5000円台と、TVアニメに比べ割安。映画はまず入場料で元をとっているので、DVD販売は追加収入という位置づけで価格設定はおおざっぱなんだそうだ。

同じTVアニメでも4話分で6000円という作品(「鋼の錬金術師」)もある。もっと前の「少女革命ウテナ」は5話分で6000円だった。このことから、1枚のディスクには容量的に2話分しか収納できない、という弁解は成り立たない。DVDソフトの価格設定には、もっと合理性と透明性を取り入れてほしい。もう少し安くしてくれれば、買いたいというファンも結構周りにいる。

2002年ごろから深夜アニメが急増した。この時間帯は電波料が安く放映は試聴が目的で、ディープなファン層対象のDVDソフト収入に頼るビジネスが定着した。

しかし、これだけアニメ番組数が増え、HDD付きDVDレコーダーが普及したのだから(本放送と録画でほとんど画質は変わらない)、これからもDVDソフト収入に頼ろうとするなら、知恵をしぼってほしい。

ファンの裾野を広げるか、今いるファンの財布の紐を緩めるか、どちらかしかないと思うが・・・

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2008年1月 6日 (日)

総集編の効果

友人の薦めもあって「電脳コイル」(2007年、監督:磯光雄、制作:マッドハウス、放映:NHK教育)の総集編を年始に観てみた。

NHKは本放映終了後にこういった総集編を毎年、年末年始に放映している。本作は放映時から結構評判がよかったので、作品の雰囲気を知るのにはいいチャンスだ。雰囲気を知るというのは、以前「十二国記」総集編を観てがっかりしたので、あまり期待してなかったという意味合いを含んでいる。

総集編が面白くないのは、TVシリーズは30分で起承転結があり、各話の積み重ねがあって初めて良さがわかるからなんだろうなあ、と思っていた。

「電脳コイル」は、予想に反して面白かった(単に趣味に合っただけかもしれない)。編集の仕方が上手かったからだろうか。SF設定がそこそこ複雑なのにちゃんとキャラクターに感情移入できた。無駄を省いて物語のエッセンスを詰め込んだ感じだ。

ちょうど12月から再放送がスタートしており、早速第3話から視聴スタート。最初から結末がわかっていてもなお観てみたくなるという、まんまと放映側の狙いにはまりました(笑)。

舞台は、電脳めがねをかけるとネット接続が簡単にできる近未来社会。小学6年生優子が家族ともども大黒市に引っ越し、転校してきたところから始まる。この大黒市は一世代古い(?)ヴァージョンのネット空間の入り口が残っており、様々なトラブルを優子は「探偵」として難題を解決するらしい。ストーリーは優子ともうひとり勇子を軸に展開、ラストは予想可能なんだがなかなかの感動物。

そういえばNHKは大河ドラマで毎年総集編を放映している。総集編制作の実績の成せる技かもしれない。

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2007年12月23日 (日)

神様になれた理由

「かみちゅ!」(2005年、監督:舛成 孝二、制作:ブレインズ・ベース、放映:テレビ朝日他)、9話までレンタルで視聴しているところだが、なかなかいい味を出している。

2006年度文化庁メディア芸術祭でアニメ部門の優秀賞を受賞、あの御大富野由悠季氏が絶賛していたので、気になっていた作品。

中学生ゆりえがある日突然神様になってしまい、願い事をかなえるのに奔走。台風を起こしてしまった後片付けや猫の反乱鎮圧や火星人との交渉に乗り出したりする。不思議パワーを持っていて、神様で中学生だから「かみちゅ!」が呪文。

神様になったといっても、ゆりえは変わらず中学校に通っているし、周りの人達も今までどおりに接している。風邪で寝込んで気落ちしたり、夏休みの宿題に頭を悩ませたり、同級生の風変わりな書道部の男の子が気になったりと、普通の女子中学生の生活が尾道を舞台にして(青春物の定番!)とても生き生きと描かれている。

八百万の神の国よろしく他の神様も登場する。ゆりえの同級生が後を継いだ神社にも八島様という神様がいたり、人間には見えないがあちこちに自然神の滑稽な神様がうようよしている。この八島様もロック歌手(笑)としてデビューしたくて神様業を廃業したがっているし、ゆりえもそうだが神様といってもとても「人間的」だ。単に超常能力を持った人間といってもいいくらい。このへんは唯一絶対神の一神教信者には理解しにくいだろうが、あえていえばギリシャ神話的というのか。

さて、ゆりえは大人が解決困難な難題(領土問題やら税金問題も依頼が来たりする)も日常感覚で解決してしまう。火星人が飛来したエピソードでは、大人ははなから火星人を信用しないでシェルターに閉じ込めるだけ、何も話しようとしない。ゆりえはきちんと火星人の女の子と話をしようとする。

ラストがどうなるのか予測もつかないが、ゆりえが神様になれたのはこんな普通の感覚の持ち主だからかなあ、と思う。でないと「新世界」構築なんかのために好き勝手に超常能力を使われたら、凡人には有り難迷惑なだけですから(笑)。

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2007年11月 3日 (土)

作品のカラーを決める仕事

絵を描くのが趣味な友人が、配色がとても上手いのを見て、アニメ番組の色彩設計を思い出した。

アニメ作品の制作は分業体制なので、配色は色彩設計という専門の担当が置かれる。案外知られていないが、キャラクターデザインは色指定を一切せず、いわば塗り絵の元絵みたいなものを作るにすぎない。色彩設計は女性がつくことが多いが、ファッションセンスと通じるところがあるようだ。

昔のセルアニメの時代は、その都度指定の色を工場に発注、製造してもらって(要するにインクをこねて)できた色を筆でペイントしていた。だから、「マクロス」のリン・ミンメイの髪の色が各話で微妙に違っていたりする。今は専用の色塗りソフトがあって、たとえばA-1とかG-8とか指定された番号に従ってマウスをクリックすれば、全く同じ色を塗ることができる。

アニメの色は作風を決定づける結構重要な要素だ。一般的に原色が多いとキッズ向け、中間色が多いと中高生以上向け(ぶっちゃけて言えばオタクが観るアニメ)。

ダーク色だと最近の「クレイモア」みたいな異世界物、セピア色だと「スチームボーイ」「鋼の錬金術師 シャンバラを往く者」のような過去物。「ゼーガペイン」が緑を基調にしていたのは理由はなんだったんだろう?「巌窟王」や「怪 化猫編」ではテクスチャリング(これは説明してもなかなか伝わらないので作品を観てもらうしかない)でゴージャス性を出していた。

キャラクターの髪の色や目の色もそのキャラの個性を決定づけるし、背景美術と合っていないといけないし、扱う色数は半端ではない。とても難しく根気が要る作業だ。アニメ作品では監督やキャラデザインに注目が集まるが、色彩設計は裏方とはいえ、まさしく作品のカラーを決める重要な仕事だと思う。

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2007年10月14日 (日)

リメイクなのかそうでないのか

「劇場版ヱヴァンゲリヲン 序」(2007年、監督:庵野秀明、制作:スタジオカラー)を遅まきながら観に行った。

「エヴァ」は、過去にブログで書いたこともあるお気に入り作品のひとつ。「エヴァンゲリオンの遺したもの」http://gogo-japaneseanime.cocolog-nifty.com/blog/2006/02/index.html当時賛否両論あって好き嫌いの激しい作品だったが、その結末はそれなりに納得したひとりだった。

そのためリメイクの話を聞いた時、なんで今さら、と複雑な心境だった。観たくないような、でも一応確認してみたいような・・、正直なところあまり期待していなかった。

結論からいうと、とても面白かった。人間関係を丁寧に描いていて、レイの「絆」があるから戦っている、という台詞がとても生きている。ストーリーは、主人公シンジとその上官で作戦隊長ミサトの関係を中心に、シンジの内面も割とわかりやすく、これだったらシンジに共感できそうだな、と感じた。

第一作である本作が旧作TVシリーズ6話までと、これから続く続編の数からするとTVシリーズ24話分の消化が遅いな、と感じたが、ヤシマ作戦を終盤に持ってきて盛り上げ方がとてもうまい。スケール感の大きい圧巻なヤシマ作戦の進行状況と、登場キャラクターの心の動きがシンクロしていて、ロボット物の正統派を行っている。

今後「破」編と完結編が続くそうだ。旧作TVシリーズも前半は受けがよかったから、問題はこれからだろう。果たして人類補完計画をどうやって処理するか、本作でもすでに意味深なシーンや台詞がちらほら出ているが・・・今後に期待。

さて、ファンとしてはどうしても旧作と本作の違う点が気になるので自分の頭の整理(笑)もかねて、思いつく範囲であげてみた。

★追加されたところ

 ○カヲルが登場  

 相変わらず謎めいた台詞言ってるが、あのシーンに眠ってたのはアダム?

 ○セントラルドグマ   

  ミサトがシンジを連れに行っている。旧作ではミサトはこの時点ではセントラルドグマを知らない。どうやら今回彼女は結構事情を知っているようだ。しかも十字架にかけられているのはリリスとされている。旧作ではアダムとされたが、実はリリスとカヲルが断定した。

 ○レイの行動   

 ゲンドウがレイに命じてシンジに近づけさせている。リツコも荷担している?

★変わったところ

 ○使徒      

 コアを壊すと遺体が残らない。血の雨が降る。ゆえに使徒は99%以上人類と同じ、というくだりが出てこない。

 ○使徒の数   

 本作最初の使徒は第4使徒。第5使徒撃退の後ゲンドウが「あと8体」と言っていたので、使徒の数は13。旧作では17だったんじゃないかな。第3使徒は誰でいつ出てきたのか?

 ○ネルフのマーク 

 旧作のと本作のと2種類出てくる。

 ○「私は初号機のパイロットを信じます」

 ヤシマ作戦で、1射目のあとにゲンドウがシンジにかわってレイに2射目を撃たせようとした際、ミサトがゲンドウに進言したのがこの台詞。シンジの同級生・トウジ達の励ましメッセージも効果的。

★消えたシーン

 ○初号機

 シンジがレイを抱き起こした際、起動していない初号機が崩れ落ちるガレキから腕で彼らを守ったところ

 ○レイの錯覚

 ヤシマ作戦でシンジが零号機のエントリープラグをこじ開けた際、レイがシンジをゲンドウと錯覚したところ

これらに何か意味があるんだろうか?意味があるとしたら・・・色々と相変わらずしかけをしてくれるのはさすがエヴァ。

本作は、旧作のラストからシンジがやり直しをやっているんじゃないか、との説もある。そういえば、ユイが「すべてのことは復元できる」と言っていた。ラスト間際でシンジは「それでもボクはもう一度みんなに会いたいと思った」と言って、元のATフィールドのある世界を選択し直ししていたな。テーマソングも 「I wish that I could turn back time♪」と流れていたし・・・

単純にリメイクともいえないかもしれない。とにもかくにも色々想像力をかきたててくれる作品であることには変わりない。

 

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2007年9月24日 (月)

ちょっと残酷なヒロイン

以前このブログで紹介した「ノエイン もうひとりの君へ」をレンタルで最終回まで観た。「コンテンツデバイド」http://gogo-japaneseanime.cocolog-nifty.com/blog/2006/01/index.html

時空をすべて消滅させようとしていたノエインの正体が、実はハルカの幼馴染ユウの無数の未来のひとりだったというのがショック。でももっと意外だったのが、ハルカがそんなユウを正面から拒否してしまったこと。

時空を消滅させようとユウが決めたのは、不遇な事故でハルカや親友イサミ、アイを失った絶望感にとらわれたからで。確かに、ユウの未来のひとり、カラスのいるラクリマ世界と、現代函館のハルカやユウの世界に多大なる迷惑をかけたとしても、一番大切な肝心のハルカにこうもあっさり拒否されると、ちょっと気の毒な気がする。

「どの時空のユウもユウだ」と言ってたのになんだか矛盾してそうだ。人間は置かれた環境や体験で相当変わってしまうものだが、ハルカはいまだ小学6年生、変わり果てたユウも受け入れる聖母様のような慈悲心を要求するのは酷なんだろうか。

ストーリーは、この場面をのぞくととてもひきつけられた。時空とは、瞬間瞬間ごとにあらゆる分岐点に分かれて、同じ人間でも様々な条件下で無数の結果が導かれる。同時点で同じ人間が無数に異なる時空で存在する。

・・・と説明してもピンとこないが、このSF量子力学理論を「ノエイン」では後半に分かりやすい形でストーリー化している。高校サッカー選手となったハルカの親友アイが、足に腫瘍がみつかって切断、自殺しようとしたエピソードなどは衝撃的。これもありうるひとつの未来なんだそうだ。

それでも「未来なんてわからないから面白いんじゃないか」とのアトリの台詞がGOOD。アトリは前半、執拗にカラスを追う敵役なのだが、後半大活躍する。

夏の函館の町並みが生き生きしていて、フィルムコミッションには成功しているんじゃないだろうか。函館山から眺める市街地はアニメ絵といえ絶景だ。本作を観た人は一度訪れてみたくなる。ただし、ストーリーがちょっとマニア向けすぎるか。

BGM音楽もフルオーケストラで秀逸。制作会社サテライトはトンデモ作品が多い中、「ノエイン」には敢闘賞を贈りたい。

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2007年9月 9日 (日)

完璧すぎるヒロイン

「彩雲国物語」(さいうんこくものがたり、2006年、監督:宍戸淳、制作:マッドハウス、放映:NHK総合)について。

BSでは先行して第2期が放映中だが、NHK地上波では第1期が放映中のアニメ。彩雲国という架空の国だが、舞台からして近世くらいの中国のパラレル物語だ。紅秀麗(こうしゅうれい)という若い女性が持ち前の明るさと機転でトラブルを解決する、基本的には1話完結のストーリー。紅家は伝統のある貴族の家系だが、家の修理にもこと欠くほど(家はやっぱり貴族だから広いのだが)傾いている。家計を助けるため町の寺子屋で先生をやったり、胡弓を演奏して日銭を稼いだりと奮闘する。

第1期の前半は、仕事に全く興味のない国王・紫劉輝(しりゅうき)にやる気をつけさせるため高額な報酬を請け負って妃の位につき、見事劉輝にやる気を起こさせた。その後女性初の官吏登用試験に合格、夢だった官吏の仕事につくことに・・・と女性のサクセスストーリーといったのが現在の展開。

正直どうかな?と思っていたところ、これから面白くなる、と第2期を観ているオタクの友人のすすめもあって観つづけている。昼行灯でつかみどころのない秀麗の父親が、かつて敵の間諜だったりと色々しかけもあるようなので先行きが楽しみ。ちなみに別のオタクの友人によると、本作は逆ハーレムのネオロマンスではないそうだ。ライバルになりそうな女性キャラクターが登場せず、秀麗の周りは美形青年ばかりなんだが(笑)

本作で感じたのは、秀麗があまりにも完璧なキャラクターだということ。もちろん本人の努力の賜物であるが、勉強、仕事、家事、芸事に秀で、おまけに他人に優しく気遣いができると来ている。以前はどれかひとつでも備えていれば、女性はそれなりに過ごすことができた。秀麗はある意味目指すべき理想の女性像として描かれている。全職種に女性の深夜労働が解禁された、97年均等法改正の能力主義が色濃く現れているようだ。

男性自体の手取り給料が減っているし、離婚も3組に1組のこの時代、女性も経済的自立を目指してがんばらなければならないのは当然だ。しかし、高すぎる目標はたいていの女性に最初から努力を放棄させてしまう。地上波NHK(しかも総合)放映という影響力の大きさを考えると、女子中高生が本作を観てどう感じるだろうか心配だ(オタクでもなければ女子中高生は深夜アニメなんて観ないか)。

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2007年8月26日 (日)

2007夏の祭典

先週週末にオタクの夏の祭典、コミックマーケットに参加してきた。初めて参加した友人の感想を聞いて、自分が初めて足を運んだ頃の感想を思い出す。その頃はすでに今くらいの規模に巨大化していた。

驚いたのは、ジャンルが非常に多岐にわたってるということ。コミック・アニメはもはや多くのジャンルの一部にすぎない。ゲームはもちろんのこと、特撮、芸能人、SF小説、ファンタジー小説、歴史小説(三国志とか水滸伝とか)、推理小説、ミステリー小説、鉄道、旅行記、動物(犬、猫、鳥が多い)、めずらし職業体験記(トリマーものを買ったことがある)などなど。電話帳のような公式カタログを見ると、およそ思いつく限りのジャンルはもれなく出店がある。

売られているのは同人誌だけではない。オリジナルCD・DVD、ミニチュア、アクセサリー、マスコット人形、ラミネートカード、ポスターなどなど。コミケは公式には同人誌即売会なので、こういったグッズはあくまでおまけとして販売が許されてはいるが、とても多彩だ。同人誌というと、原作をパロディ化したコミックスくらいしか想像できなかった私には新鮮だった。

コミケに同人誌を作って売りに来る人は、自己表現欲が強い、との声を聞く。もうひとつ、自分の作品を買ってくれることで充実感を味わっているんじゃないかなと思う。

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2007年8月23日 (木)

継続は力

「コードギアス 反逆のルルーシュ」(2006年、監督:谷口悟朗、制作:サンライズ、放映:MBS、TBS他)の24、25話が先月末にオンエアされた。

1話から23話までが去年秋から放映され、いったん間が空いて7月~8月に続き2話が放映という、あまり見られない変則的な編成だ。10月から続編のTVシリーズ放映が決定している。

主役である見捨てられた王子ルルーシュの復讐劇、そのルルーシュが手に入れた「ギアス」という特殊能力、切れのいいロボットアクション、人気漫画家CLAMP原案の多彩なキャラクター陣、ノリのいい主題歌・BGMなど視聴者受けする要素をふんだんに取り入れている。ウイングを広げてできるだけ多くのファンを惹き付けようとしている。

「コードギアス」が面白いのは、これまでのアニメ作品では敵役になりそうなルルーシュを主役に配置していること。ルルーシュは主役ロボ・ランスロットには乗らない。反乱軍の指揮官という役まわりだ。「デスノート」に似ているところがあるが美味しいところを持ってきている。「デスノート」の威力は、人を殺すことよりも死までの行動を命じることができることの方が大きい。ルルーシュの「ギアス」は自分の命令どおりに人をあやつることができる。

CLAMPの美麗なキャラクターが目につきがちだが、ストーリーに無駄がなくテンポがGOOD。「キングゲイナー」「ステルヴィア」など、オリジナルを多く手がけているや大河内一楼をシリーズ構成に起用したのが正解。

DVDが結構売れており、サンライズは本作に力を入れている様子。こういった、間を置いて放映を息長く続けていくのが作品の認知には効果的なんだろう。「ガンダム」は今でこそ一般に広く知られているが、続編・違う時代設定や違う時間軸の作品・違うキャラクターの「ガンダムシリーズ」を25年以上放映しつづけたのが大きいと思う。まさしく「継続は力」だ。

25話では、スザクやカレンにもゼロ(ルルーシュ)の正体がばれてしまう。ギアスは同一人物相手には一度きりしか使えず、主要キャラクターにはルルーシュはほとんど使ってしまった。これからどうストーリーを作っていくのか見当もつかないが、秋スタート一番の注目作品であることには間違いない。

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2007年7月28日 (土)

コンテンツデバイド~コミックの場合

北関東のとある地方都市に行く機会があったので、書店でコミックの品ぞろえを見てみた。幹線道路沿いのショッピングセンターと併設されて、広い駐車場を備えたまだ新しくできたような大きな書店だ。

店内もゆったりしたスペースで新刊がふんだんに平積み。品ぞろえもGOOD。諸星大二郎なんかもちゃんとそろってた。

「ヒカルの碁」も全巻あった。以前、アニメイトショップやターミナル駅前書店に足を運んでせっせと23巻買い揃えていたので、びっくり。小畑健がらみでは、イラスト集が表紙をこちら向きに本棚に立てかけてあった。最近出た「blanc et noir」はまだしも、ずいぶん前に出た「彩」まで立てかけていたのにはたまげた。

以前このブログで地上波TVアニメ視聴の地域格差が大きいことを指摘した。「コンテンツデバイド」http://gogo-japaneseanime.cocolog-nifty.com/blog/2006/01/index.html

コミックについては地方の方が都市を凌駕してるんじゃないか。原因は贅沢にとれる敷地スペース。

地方は完全に車がひとり1台という車社会で、郊外の幹線道路沿いに駐車場つきの大型書店やホームセンターが次々と誕生。逆に地方都市中心部がさびれるドーナツ化現象となったわけだが、コミックの品揃え充実がドーナツ化現象と関係あったとは・・

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2007年7月 9日 (月)

視聴率という幻想

「モノノ怪」(2007年、監督:中村健治、制作:東映アニメーション、放映:フジTV他)が今週からスタートする。

この作品は、2006年1月から3月まで放映された「怪~ayakashi~」というオムニバスの中の「化猫編」がスピンアウトされて企画が決まった。もしかしたら昨年のTVアニメでは一番だったかもという佳作で、当時ブログでも感想を書いたことがある。「上手い演出・絵コンテ」http://gogo-japaneseanime.cocolog-nifty.com/blog/2006/03/index.html。先日まで開催されていた、フランス・アヌシーでの国際アニメーション映画祭にも出品されていた。

オリジナルの深夜アニメでなかなかこういったことは実現が難しい。DVDが結構売れたのと視聴率が良かったことが後押ししたようだ。深夜アニメの視聴率は1%を下回るものがざらな中、「化猫」は午前0時台スタートという比較的深夜でも早い恵まれた時間帯ではあるが、第2話で5%をたたき出した。

今回は視聴率がスピンアウト続編決定というファンにとっては良い方向に働いたが、歴史的にみてアニメファンは視聴率神話に泣かされてきた。

ご存知のとおり、視聴率は測定協力してくれる家庭に測定器をTVにとりつけてもらってデータをとる。このことからアニメおたくがいっせいに協力に手をあげたら、アニメの視聴率が上がるんではないかと思ったりするのだが(笑)。

ここでの協力家庭は、夫婦2人に子ども2人という、現代では少数派になりつつあるいわゆるモデル家庭から選ぶという話である。

視聴率そのものにも要注意で、バラエティ番組で高めに出る傾向がある。バラエティは、食卓でながら視聴ができ、時計がわりにBGM感覚で観るからだそうだ。

深夜番組となると録画して後から視聴することが多い。私自身オンエアではめったに深夜アニメを観ない。ところが録画視聴は視聴率に反映されない。録画視聴こそ「ぜひこの番組を観たい」という視聴者の支持率が高いのではないか。このことから、録画視聴率のデータも最近は入手できるらしい。ちなみに、早朝番組で低視聴率だった「交響詩篇エウレカセブン」はこの録画視聴率が相当高かったそうだ。

要するに、視聴率は限られた偏りのあるサンプルからとった、必ずしも番組の支持率に直結しない、ごく一面を表すにすぎない数字だということ。昔からよく言われたことだが、制作者は視聴率という幻想にとらわれず、中身のある面白い番組を作ってほしいものだ。

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2007年6月25日 (月)

やりがいのある管理職

「おおきく振りかぶって」(2007年、監督:水島努、制作:A-1 Pictures、放映:TBS他)をすすめてくれた友人が、「コミックスの方が面白いような気がする」とのこと。早速原作コミックスを読んでみた。

野球ものというと、定期的にヒット作が出る青春物の定番。「巨人の星」では熱血、「ドカベン」では個性派プレーヤー、「タッチ」ではラブコメが描かれてきた。「おお振り」ではチームメートの信頼関係や、配球やプレーの組み立てなど作戦の妙を描いている。野球もので初めて漫画が登場するとしたらこういう風じゃないか、と思うくらい「野球ってどんなの?」というストーリーだ。

アニメはどちらかというと信頼関係を描く方に重点を置いているが、やはりスポーツものは絵が動くと生き生きして、4月スタートの新番組ではもっとも面白い作品のひとつ。

野球はどうしてもピッチャーに注目がいきがちなこともあって、たいていの野球漫画はピッチャーが主人公だ。本作でも西浦高校エースの三橋廉(れん)が一応主人公となっているが、廉は自分を「ダメピー」だと真剣に思っているのが今までの野球ものにないところ。キャッチャー阿部隆也のリードがないと投げられないと信じこんでいる。

試合を描くシーンは、隆也と相手バッターに監督・百枝と相手チーム監督との先読み合戦で、現実の野球の対戦と結構近いものがある。ピッチャー主人公の野球漫画は、今までピッチャー対相手バッターの心理作戦としてよく描かれてきた。が、現実にはピッチャーは投げるのに精一杯で、配球はすべてキャッチャーに任せる方がうまくいくらしい。

さて、本作は女性ファンが多いそうだ。同人誌ネタになるエピソードが多い(笑)ほかに、監督が百枝まりあ(愛称:モモカン)という女性をもってきているところが大きいと思う。原作者ひぐちアサ(女性らしい)が、モモカン視点で描いているのが明らか。

モモカンは高校教師ではないので監督業で給料をもらっていない。昼間は肉体労働バイトで早朝・夕方は部員指導をしている。野球部運営に貯金をつぎこむほどの熱心さ。。

試合中ベンチの部員から自然に、「ナイバッチ!(ナイスバッティングの略)」という掛け声が出ると感激したり、「キャッチャーはピッチャーに尽くすかわりに、ピッチャーから信頼を得る。信頼されるっていいことだ」と言って隆也にアドバイスしたりしている。彼女自身OGで軟式野球部に所属していたとはいえ、監督業によほどの魅力を感じてるようだ

野球をする女性が少ないうえに、女性監督といういわば管理職は非常にめずらしいだろう。野球に限らず日本では女性管理職が諸外国に比べきわだって異常に少ない。年功序列型社会で長時間労働が日常化している中、女性が働きつづけられる環境に乏しい、という点に一番の原因がある。

それとともに最近、女性自身が管理職に魅力を感じなくなっている調査結果もある。「おお振り」に女性ファンが多いのは、野球監督という管理職が魅力的に見える、というのもあるのかも。

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2007年6月 3日 (日)

生かすも殺すも

経済産業省が、インターネット上でアニメやゲームのコンテンツ市場サイトを開設するらしい。個人の作品を広く公募し、高評価を受けたものは事業化まで結びつけるのが目的だ。http://animeanime.jp/biz/archives/2007/04/_422_1.html

既存の商業ルートでは注目されないコンテンツにとり別ルートでの発表の場として、または、プロを目指す新人クリエイターの発表の場としては、意義ある試みだと思う。

気になるのは、サイトでの評価者。一般視聴者となっているが、一体どんな人がどんなプロセスで選ばれるもしくは参加するのだろうか。

アニメファンといっても色んな人がいる。同じ作品を観ても、やすやすと「感動した」と言う人から、2ちゃんねる掲示板の投稿によく見る、何もそこまでけちょんけちょんにけなすことはないだろう、という人まで様々だ。

もちろん人によって受け取り方は様々なので、こういったファンの反応に幅があるのはとても自然なことだ。

このコンテンツ市場サイトではどれだけの幅広いファン層が参加できるか、が重要だろう。民間が行うサイトならまだしも、お役所が関与している本サイトは、その作品やクリエイターにとってその後の活動に決定的な影響を与えかねない。

生かすも殺すも評価者次第、慎重に運用してほしいと思う。

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2007年5月16日 (水)

とにかく第1話2007年4月編(下)

もう5月も中旬だ。早くこのシリーズを終わらせないと・・

スカルマン

石ノ森章太郎原作。骸骨男による殺人事件の真相を、フリージャーナリストとその自称助手が追うサスペンス物。横書き文字は右始まりの戦前ものかと思われたが、旧式のテレビが登場したりで時代設定がごちゃまぜなのが面白い。

Darker than Black 黒の契約者

オリジナル。契約者と呼ばれる超常能力者が対決するミステリーアクション物。対立の構図がややこしく、今のところ主人公ヘイが所属する組織と日本政府当局と外国がからみあっている?中国人男性が主人公というのが新鮮。

キスダム

オリジナル。近未来SF物。SF設定複雑で登場人物多し。地球が絶滅の危機に瀕していて、それを救う鍵を探している様子。主人公いったん死んで生き返る?サテライト制作なのでトンデモ展開になりそう。

風の少女エミリー

原作つき?OPは堀江美都子の新曲。父と2人暮らししていたエミリーが、父の死とともに資産家の親戚一族にひきとられることに。ふた昔くらい前の忍耐物語っぽい。カルピス名作劇場作品のDNAがNHKに引き継がれているんだなあ。

瀬戸の花嫁

原作つき。少年少女のいきなり同居もの。少女の家が極道なのだが、ストーリーが軽いノリなのでやはりラブコメ?

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2007年5月 8日 (火)

とにかく第1話2007年4月編(中)

もう6話まですすんでるのもあるなあ。前回の続きを・・

地球へ・・・

竹宮恵子の原作つき。人類と超常能力者ミュウとの戦いと共存を描く、もはや古典ともなったSF。土6にこのお話を持ってくるとは意外に感じたが、最近この枠は大人向けの地味目なストーリーで、今後その路線でいくつもりか。今のところ丁寧にキャラクターの心の動きを描いている。20年前の映画版と違いキャストの演技力も安定してる。

鋼鉄三国志

中国古典「三国志演義」をベースにSFを加味している。主人公陸遜(りくそん)が、代々守るべき玉璽(ぎょくじ)というオールマイティなパワーを持つ秘蹟(?)を取り戻そうとする。陸遜は師である諸葛亮孔明の指示で呉の国に仕えることに。孫権(女性にしか見えないが男性らしい)、劉備といったお馴染みの人物も登場。なぜ陸遜が孔明に師事してるのかよくわからない。孔明がラスボスっぽいのだが。ある意味剣と魔法のヒロイックファンタジー物か。

エルカザド

オリジナル。監督・真下耕一、音楽・梶浦由記に女の子2人主役の「ノワール」「マドラックス」路線。前2作から話の結末がなんとなく予想できて少しマンネリか?ガンマンの女の子と不思議パワーの女の子が旅を続ける中で、現地の人々との心の触れ合いを描いている。

ロミオ×ジュリエット

シェークスピア原作。本人らしきキャラも作中出てくる。「巌窟王」に引き続きゴンゾの古典アレンジ物。原作と違うのは、天馬が空を飛んでるファンタジー性があり、ジュリエットが義賊で男まさりに活躍してるところ。「巌窟王」では相当原作を離れたが、さて本作は悲劇で終わるのか?BGMのクラッシック音楽が耳に心地よい。

ゲゲゲの鬼太郎

原作つき。3~40年前のリメイク。色彩設計の関係だろうか、前作より明るい印象。鬼太郎キャストは高山みなみになったが、目玉オヤジはキャストは同じじゃないだろうか?だとしたら驚異だ。

機神大戦ギガンティックフォーミュラ

オリジナル。近未来SFロボット物。この世界では、国家間の紛争を国連の監視下でギガンティックというロボットの決闘で決するらしい。このロボット、意思があるらしくパイロットを選ぶようだ。主人公の中学生・慎吾はお約束のいきなりパイロット。真名という同じく中学生の女の子とスサノオという日本のギガンティックに乗り込む。第1話は萌えキャラとラブコメ路線かと思われたが、決闘が始まったきっかけは赤道での自然現象とのことで、意外とハード路線かも。

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2007年5月 1日 (火)

とにかく第1話2007年4月編(上)

4月アニメ新番組スタートラッシュである。なんだか異様に多い。今期は自分の趣味のSF、ファンタジー、ロボット物が多くて、一体週何本になるんだろうか?嬉しい悲鳴である。例によってひとことコメント。

天元突破グレンラガン

ガイナックスオリジナル。大人と子どもがそれぞれメカに乗って合体するロボット物。絵よく動く。脚本が劇団シナリオライターの中島かずきなので、元気のいいお芝居を観ているみたい。

ヒロイックエイジ

オリジナル。人類と他の種族が抗争・和解するスペースオペラ。主人公エイジは生身でロボットに変身する。シリーズ構成は冲方丁、キャラデザは平井久司とスタッフはほとんど「蒼穹のファフナー」と同じ。設定がややこしくナレーションが長いが、丁寧に作ってる。

クレイモア

原作つき。人間対妖魔の戦いにクレイモアという半人半妖の戦士が人間側について闘う、デビルマンに似ているお話。若干暗めだが、主人公クレアがナイス。

神曲奏界ポリフォニカ

原作つき。人間の神曲楽士と妖精が組んで戦うファンタジー。妖精の暴走を神曲楽士が音楽を演奏してコントロールするらしい。妖精コーディーは典型的なツンデレ。

彩雲国物語(さいうんこくものがたり)

原作つき。BSからNHK地上波にまわってきた。仮想中世ごろの中国舞台。上流だが貧乏な王族の姫が後宮入り、持ち前のパワーで仕事にやる気のない国王を教育する。国王はじめ宮廷貴族は美男ばかりだが、ネオロマンス物かどうかは少しウオッチしないとわからないなあ。

おおきく振りかぶって

原作つき。高校野球もの。主人公は自信がまったく持てないエース、監督は女性と現代風。野球の素の面白さを忠実に伝えようという意欲が感じられて、面白い。目標は甲子園というのは今も昔も変わらないんだなあ。

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2007年4月28日 (土)

どの声に耳を傾けるべきか

「世界最先端のコンテンツ大国の実現を目指して」を読んでみた。http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/contents/kikaku4/siryou2.pdf

内閣府知的財産戦略本部のコンテンツ専門調査会・企画ワーキンググループが1月に公表、「アニメ文化大使」が報道でとりあげられた提言だ。

具体策とのことだが、なんだか物足りない。この提言は、「知的財産推進計画2006」を受けて具体化されたそうだが、「2006」の前は「2005」「2004」があり、2004年4月の「コンテンツビジネス振興政策」までさかのぼるという。どんどん具体化していってる割には、いまだ見本市・シンポジウムの開催など何年来変わらぬ案をあげているのは少しがっくりした。

全体的にジャパンコンテンツをいかに効率的に流通させるか、海外に発信するか、という点に重点が置かれているように思う。ジャパンコンテンツは質が高い、というのが所与の前提としてあるようだが、そうとばかりに安心してていいのか、というのが制作スタッフ・一般ファンの本音ではないか。

4月スタートのアニメ新番組ラッシュである。放映日の前日に納品した番組もあるらしい。国内たった5000人のスタッフで週100本ものTVアニメをまわすのは正気の沙汰ではない。肝心なコンテンツの質の維持・向上という点からすると、このような現状は非常に心もとない。本提言の認識は誤っているとまではいかないが、ワーキンググループは足元の危機に鈍感なように思う。

ワーキンググループのメンバーは、大手の電機会社やTV局、大学教授などで制作関係者が含まれていない。これでは現場の窮状はなかなか理解できないか?

なお、NHKアーカイブスで民間放送事業者の番組をネット配信すべき、という提言は評価したい。地方では観られるTVアニメは本当に限られてますので。

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2007年3月31日 (土)

少女マンガとSFとアニメ

コミックス「バルバラ異界」(2003年、作:萩尾望都、月刊フラワーズ連載)が日本SF大賞を受賞した。

長年の萩尾ファンとしては嬉しいニュースだが、少し意外な気もする。萩尾氏の作品のジャンルのひとつは確かにSFだが、SF専門漫画家とまでは言えないと思う。「バルバラ」は佳作だが、過去の例えば「スターレッド」や「銀の三角」と比べるとスケール感がいまひとつ。

日本SF大賞は日本SF作家クラブ、いわば日本SFのプロが選考する最高峰の賞。ファン投票で選考する星雲賞と違い、権威ある賞だ。他に大賞にふさわしい作品がなかったのだろうか。

萩尾作品はアニメ化がもっとも難しいコミックスのひとつだと思う。線が細かいという少女マンガ共通の特徴に加え、登場人物の心理描写を抽象的・芸術的な一枚絵で描くことが多いからだ。静かな展開が多くアクションシーンが少ないのもアニメ向きでない。そのためか「11人いる!」くらいしかアニメ化されていない。

同じ「花の24年組」竹宮恵子のSFマンガ「地球へ・・」のアニメが来月からスタートする。何十年か前のアニメ映画がキャストで大失敗しているので、今回プロ声優起用ということでアクションシーンも多い本作には少し期待。

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2007年2月 3日 (土)

デスノート中間決算

おそらく、現在TV放映されてるアニメ番組で1,2を争う人気番組だろう。ヨツバキラ編にこれから突入する、折り返し点が来た「デスノート」(2006年、監督:荒木哲郎、制作:マッドハウス、放映:日本テレビ他)。コミックスファンとして中間コメント。

実写映画と違ってほぼ原作コミックスのストーリー。キャストも月役宮野真守は予想通り声質が合っているし、中村獅童はリュークの茶目っ気をうまく演じている。L役山口勝平が不安だったが、さすがベテラン、飄々とした名探偵の演技は金田一耕助を思い出した。

クラシック調の音楽が生と死をうまく演出している。台詞も思ったほど長ったらしく感じないのは、脚本がうまいからだろうか。

最新15話「賭け」では、オリジナルシーンが登場した。キラが街中の高い塔から下界を見下ろしていたり、Lが見えない敵キラに挑んでいる、イメージシーン。似たようなシーンはオープニングにも登場しているが、選ばれし者たちの対決の構図をうまく表現している。死神レムの去り際に海砂の前髪がはらりと揺れたのもGOOD。

原作つきアニメは、絵コンテや台詞も原作どおりそのまま持ってくるものがある。原作ファンの怒りを買いたくないからだろうが、ただ色がついて声と音が入って絵が動くだけでは物足りなく感じる。

色々と考えはあるだろうが、制作者にはアニメ化するにあたり果敢にオリジナル部分に挑戦してほしいと思う。でないとアニメ化する必要なんてない。原作コミックスとアニメは異なる表現媒体、別作品だと思うからだ。

「デスノート」はこれからオリジナルシーンが増えていきそうで楽しみ。ヨツバキラ編は、原作ファンの評判が良くないらしい。アニメではどうアレンジしていくのか期待したい。

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2007年1月28日 (日)

名作アニメと思っていると

オタクの友人に薦められて「ファンタジックチルドレン」(2004年、監督:なかむらたかし、制作:日本アニメーション、放映:TV東京他)をレンタルで観終えた。

物語前半は2つのストーリーが別々に進行するパラレル構成。

1つめはボーイ・ミーツ・ガール。カンフーが得意な体力自慢の少年トーマは、ある日、同じ絵を描きつづける記憶を失った少女ヘルガに出会う。ヘルガは謎の組織に追われており、トーマは彼女を守ることを決意する。

2つめはSF謎解きもの。銀髪碧眼で黒マントの少年少女達が、19世紀から近未来まで時空を超えて出没する。みな11歳から歳をとらず、誰かの行方を追っている様子。

制作が日本アニメーション、活発な主人公と影のある無愛想ヒロインと来れば、「未来少年コナン」をはじめとする名作系アニメか?と思われた。2つのストーリーも途中から1つにドッキング。視聴者の多くは次の展開、ラストの大団円をおおよそ予想して観ていただろう。

その予想が見事に裏切られるのが最終回直前。オンエア当時賛否両論あったそうだが、自分としてはなかなかだったと思う。作品のテーマを贖罪、ととらえれば自然ともいえる展開だと思った。

無駄な線を省いた、影もつけないシンプルなキャラクターデザイン。特殊効果に頼らず、ストーリーだけで勝負しようというスタッフの意気込みが感じられる。

子ども向け名作アニメとみせかけた隠れた佳作。深夜のオリジナルアニメなので視聴率などの数字は良くなかっただろうが・・

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2007年1月21日 (日)

ツンデレってなに?

同名タイトルのトラックバックがついてるのでひとこと。

ツンデレとは周りへの態度がツンツンしているのに、本命の人に対してだけデレデレしている人のこと。アニメや漫画の女の子キャラの萌え属性のひとつ。

元祖は「Zガンダム」のベルトーチカ・イルマと聞いたことがある。カミーユ・シャアなどエウーゴのメンバーにはつっかかる彼女が、本命アムロにはやたら甘えた態度だった。「エヴァ」のアスカなんかが典型なんだろう。自分の前だけは全く違った顔を見せる二面性が萌えポイント。

ただ、声優平野綾によると、ツンデレキャラの決めぜりふは「あんたなんかのためにやってあげてるんじゃないからね!」とのこと。本命の人にもツンツンしているように見えるのだが・・。見え透いた強がりはデレデレの裏返しなのか?ツンデレにも広義・狭義があるらしい。

男ツンデレというのもいる。「お前を助けるために闘ったんじゃないからな!」の「ガンダムSEED」イザークが典型。もっとも、この場合本命は男(アスラン)になってしまいます(笑)。

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2007年1月 8日 (月)

麻生太郎を支持しないオタク

外務省がアニメ、マンガなどの文化外交に本腰を入れるらしい。

旗振り役は大臣の麻生太郎氏。ニュース番組で愛読書にゴルフマンガ「風の大地」をあげたり、コミック誌を月10冊読んでいる(青年誌らしい)という話だ。自民党総裁選挙で街頭演説場所に秋葉原を選んで、マスコミに大きくとりあげられた。

朝日新聞記事では麻生氏は「オタクの圧倒的な人気を集め」ている、と紹介されている。ここでいう「人気」が麻生氏の政治的信条・主張への共感なのか否かはっきりしないが、どうもオタクはみな麻生氏を支持していると思われているようだ。

しかし、農協の組合員が皆自民党支持ではない、労働組合の組合員が皆民主党支持ではない、と同様、オタクも皆麻生氏をはじめとした自民党支持というわけではない。どうも日本ではいまだ、特定団体ないしグループ所属でこういった政治的立場が決まる、と思われているようだ。

確かに、麻生氏のような著名な国会議員がマスコミで堂々と「自分はオタクだ」と宣言してくれると、普段日陰者のオタクが元気づけられる(?)し、親近感すら覚える。

しかし、小泉自民党の推進した郵政民営化は、郵便サービスの質向上を必ずしも意味しないし、巨額の郵便貯金が民間金融機関に流れるわけではない。2005年総選挙の小泉旋風は、生活が苦しい庶民の公務員(郵政公社職員は公務員ではないのだが)への嫉妬心を巧妙に利用しただけではないか、とも感じ、私自身は麻生氏および自民党を支持しない。

自民党は過去に児童ポルノ法改正問題で被写体モデルにリアルの子どもだけでなく、二次元の子ども(要するにコミック・アニメに登場する少年少女)も規制の対象にしようとした。この傾向は、安部首相が「ゆきすぎた性教育の「正常化」」がメインテーマの山谷えり子議員を教育問題担当補佐官に起用したりと、ますます強まっているといってよい。

表現の内容規制に一番熱心なのは麻生氏の所属政党だということに、オタクはもっと注意を払うべきだと思う。

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2007年1月 1日 (月)

必要な動画とそうでない動画

年末にTV地上波放映した映画「APPLE SEED」(2004年、監督:荒牧伸志、制作:デジタル・フロンティア)を観た。ロードショウ当時も劇場で観たので自分としては2回目。

ストーリーは人間とバイオロイドの共存を描く、みごたえある硬派SFアクションもの。キャストも気の強い女の子には適任の小林愛が主役デュナンなど、本職声優が起用され、安心して観られる。

本作は、動画にモーションキャプチャーが採用された。生身の人間が演じ、その動きに合わせて動画が作られる。

正直に言うと、普段アニメを見慣れている者としては不自然に感じた。人間は言葉を発する時も無意識に身体を前後左右に揺らしていることに、改めて気づかされた。そんな動きまで映像にする必要があるのか疑問だ。

日本アニメは低予算でコンスタントに作られるよう、極力動画数を抑えることに徹してきた。手塚治虫がアニメ界に残した悪しき遺産と言われる。

その批判を克服しようとした本作のスタッフには敬意を表する。しかし、動画が多ければそれだけで佳作、ということではないと思う。必要な限度の動画数でいいのではないか。本作はフルCGとはいえ、アニメーター泣かせだ。その過剰な労力をキャラクターの表情を豊かにしたり、細かいアクションの動きに回す、など考えた方がいい。

実写感覚、というのを最近アニメ作品の宣伝文句でよく見るが、実写に近づけることにそれほどの意味があるのか。肝心なところを置き去りにしないようにしてほしい。

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2006年12月10日 (日)

報われるべき仕事

日本動画協会が経済産業省の支援のもとにアニメーター養成プロジェクトを始めた。http://www.animenews.jp/aja/ 目玉は作画技能試験で、目的は質の高い原画マンを排出すること、とのこと。

原画の仕事のメインは、止め絵の作画。キャラクターの顔アップ画やメカの決めポーズ絵など。視聴者の目に一番に焼きつく重要なシーンだ。原画と原画の間のつなぎの絵は動画と言い、アニメーターとして仕事につくとまず担当するのが動画だ。

動画で何年か修行を積んで原画に昇進するのが通常のパターン。本養成プロジェクトは、いきなり原画を担当できるくらいのスキルを身につけてもらおう、という趣旨。というのも、動画マンは薄給、肉体的にもきつい仕事なので中途で辞めていく人が多いから、とのこと。

このプロジェクトを現場のアニメーターはどう思うだろうか。いくら技能試験に合格したからといって、入社してすぐのアニメーターが好待遇では、現場の士気に影響しないか。動画の仕事はそうそうはなくならないから誰かが担当しなければならない。動画マンを横目にキャリアの浅い原画マンを上に置くのは少し酷な気がする。

アニメーターはよっぽどデッサン力に乏しい人でない限り、訓練次第でなんとかなる職業だそうだ。要は努力と根性といったところ?動画→原画→作画監督、という従来の昇進基本パターンは守る方がいいと思うのだが。

原画マンを養成するより、動画マンが働き続けられる環境を整える方が適切なのではないか。そうでなければ過去に泣く泣く辞めていった星の数の動画マンが浮かばれない。

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2006年12月 4日 (月)

オトナアニメって・・・

日経新聞で「オトナアニメ」(洋泉社)というムック本が紹介されていた。

毎週土曜日のサブカルウオッチングというコーナーである。昔アニメを観ていて、今のアニメがどんなものがあるか調べたいが、アニメ誌を買うのはさすがに抵抗のある、30代対象におすすめ、とのこと。

「オトナアニメ」はすでに第2号まで発刊済み。特集は、第1号は「涼宮ハルヒ」、第2号は「時をかける少女」と、オタクの間で評価の高い作品を独自の視点で紹介しており、そこそこの内容。少し前の「別冊宝島 このアニメがすごい」シリーズを踏襲しているような感じ。

問題は紹介のされ方。「質の高いジブリアニメ名作だけでなく、こんなアニメもあるので一度読んでみてはどうか」とのこと。普段ジブリ(質が高いかは最近疑問だが)しか観ないファンには、「オトナアニメ」は路線が違い過ぎると思うのだが。いくら他のアニメを観たいといっても、彼らは財布から1000円も出そうとはしないだろう。

それでも著者のいいアニメを宣伝したい、という意気込みには同意したい。それには紙媒体だけでもいかにアニメが実写に比べて広告宣伝上冷遇されているか、を指摘すべきだ。

TVガイド誌は、「TV BROS」などごく一部を除いて、アニメ番組はいわゆる国民的アニメ以外紹介していない。新聞のTV欄は番組紹介にめったにアニメを載せない。最近見たのは、「結界師」「BLOOD+」「エウレカセブン」(これはびっくりした)「ブラックジャック」、しかも4クール以上の作品で一度きり。朝日新聞は、毎週夕刊で全局の実写ドラマの紹介をしていることと比べ、扱いは雲泥の差だ。アニメ番宣はゲットー化されていると言ってもよい。

別にアニメ番組をもっと宣伝してほしい、というわけではない。自分から積極的に情報を集めるのが消費者主人公の社会だと思うからだ。ただ、観てほしいという立場の人はこのような現状をきちんと把握したうえで、効果的な宣伝方法を考えてほしいと思う。

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2006年10月21日 (土)

とにかく第1話10月バージョン(下)

武装錬金

原作つき。アクションファンタジーもの。男子高校生が一度死んで謎の少女の力で生き返る。少女の妖怪(?)退治につきあうことに。

あさっての方向。

原作つき。ファンタジーもの。小学生女の子とその兄の元恋人が互いに相手の年齢に変身してしまう。地方都市の背景美術が懐かしさを感じさせる。

コードギアス 反逆のルルーシュ

オリジナル。近未来SFもの。ロボットものはこれだけか?ブリタニア帝国の植民地となった日本でレジスタンスが始動。ブリタニア人でありながら特殊能力を持つことになった主役の少年と、その幼馴染の日本人でブリタニア軍人の少年を軸にストーリーが展開。絵がよく動いてる。予算は結構かけてそう。

銀河鉄道物語

原作つき。銀河鉄道警備隊員の青年が主人公。父の遺志を息子がひきつぎ、妻や恋人は暖かく見守るという松本零士作品の典型。麻上洋子が主人公の母役で出てるのに郷愁を感じる。

天保異聞 妖奇士(あやかしあやし)

オリジナル。あやかしものが今シーズン多いな。戦隊ものみたいに5人で退治するが、主人公は39歳の中年というのがなかなかGOOD。ただ土6枠にしては地味な印象。視聴対象、子どもはターゲットからはずしたのかな。

金色のコルダ

ゲーム原作。楽器を全くさわったことのない女子高校生が校内音楽コンテストにチャレンジすることに。コンテスト出場者は全員美形男子高校生。絵柄見てわかるが女性ファンターゲット。この作画をこれからも維持できたらたいしたもの。クラッシック音楽が耳に心地よい。

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2006年10月20日 (金)

とにかく第1話10月バージョン(上)

10月スタートのアニメ新番組のラッシュだ。例によって目ぼしい作品第1話をチェック、ひとことコメント。50~60本あるそうだが、既存番組を加えると週100本いってそうだな・・・。

結界師

原作つき。中学生主役と高校生ヒロインの妖(あやかし)退治もの。ゴールデンタイムらしくアクションシーン多し。声優吉野裕行はこれで主役2本か。

デスノート

原作つき。メインキャストは本職声優でほっと一息。中村獅童はなかなか好演技。原作コミックでは台詞が長々と続くので、アニメでは短い台詞でテンポ好くしてもいいと思うのだが。色彩設計が暗い配色でGOOD。

ゴーストハント

原作つき。学校校舎の幽霊退治もの。神父や僧侶やお払い師やら色々出てくる(もちろん若いキャラ)。最近少女誌「なかよし」でもこんなのが流行ってるのか。

RED GARDEN

オリジナル。ニューヨーク舞台のSFサスペンスもの。女子高校生4人がいったん死んで戦闘要員として生まれ変わっている。

D.Gray-man(ディーグレイマン)

原作つき。エクソシストによるアクマ(悪魔とはまた違う)退治もの。アクマは人間自身が望んで死んだ人間を使って作られる武器の一種らしい。アクションシーンも凝っている。

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2006年9月29日 (金)

再放送の意義

TV東京で「ケロロ軍曹」「NARUTO」が再放送されるそうだ。2作品とももう3年以上放送されているので、第1話から観たい人には朗報だろう。

地上波TVではアニメ番組の再放送はほとんど観られなくなった。最近民放で放映しているのは、TBSの「ガンダムSEED」シリーズ「鋼の錬金術師」「エウレカセブン」くらいか。劇場作品公開のプロモーションという特別事情があるか、よっぽどの人気作でないと実現しない。

すでに放送枠がどの局もいっぱいいっぱいらしい。過去にアニメ番組再放送で出演声優陣が出演料を請求した例があったらしく、TV局が二の足をふんでいるとの話を聞いたことがある。

昔は夕方の時間帯にアニメの再放送をよく流していた。「ルパン三世」「サスケ」「新造人間キャシャーン」「侍ジャイアンツ」等々、今でも名の通る作品は全て再放送で観た記憶がある。

「ヤマト」も「ガンダム」も再放送で観た。これらの作品は再放送がメガヒットの発端だったことは有名だ。再放送はコンテンツの魅力の発掘に、特に原作つきでないオリジナルアニメにはとても効果的だと思う。

CSで放送するからいいじゃないか、との声もあろう。しかし、周りでも加入していない家庭はまだまだ多い。月づき何千円のコストは自分含めやっぱりつらい。無料の地上波TVでの再放送には期待が大きい。

平日15時16時台に実写のTVドラマは結構再放送されている。放送枠の方はTV局の判断次第。出演料云々の件は、作品の権利関係をクリアして、何とかもっと実現してもらいたいものだ。

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2006年9月25日 (月)

ターゲットはどこに?

杉並アニメーションミュージアムに行って来た。自治体初の常設アニメ専門博物館であり、山田宏区長のアイデアが発端だ。

この人は、東京都が毎年行っている東京国際アニメフェアのスタートのきっかけも作った人だ。アニメフェアの実行委員会に当初NPO法人が関わっていたが、このNPOは杉並の町おこしを目的にしている。山田氏が、このNPOに杉並区がアニメ産業のご当地だということを教えたそうだ。

ミュージアムの展示内容は、①日本アニメ史年表、②制作過程の説明、③先端技術の説明、④アフレコや色塗りの体験コーナー、⑤DVDや書籍ライブラリー、⑥期間限定のフェア、⑦上映スクリーンといったところ。

③では、「BLOOD THE LAST VANPIRE」の1シーンをもとにセル画時代では難しかったCG技術の説明がよかった。セル画では1つの動きにつき一連のセル画が必要で、モブシーンなどの複数の動きを同時に作るには1つの動きごとに一連のセル画が必要とのこと。撮影ではその大量のセルを重ねる、とても手間がかかるものだったそうだ。CGではその処理を簡単にできる。主人公・小夜のバックで煙る駅ホームに列車が滑り込むシーンが見事に再現されていた。

⑤では、富野由悠季監督のアニメ制作のプロを目指す人へのメッセージが面白い。「こんなところへ見学に来るより、若いうちに色んな所へ行き色んな人の話を聞きなさい」との富野節を聴ける。

このように得るものはあるにはあるが、誰をターゲットにしているか、今ひとつ曖昧だ。

プロを目指す人にはもの足りないだろう。アニメのできるまでの展示②では、セル画を例にとっており時代遅れ(現在は全くセルは使われていない)。先端技術も当然のごとく彼らは知っているだろう。

一般のファン向けにしてはエンターテインメント要素に欠ける。観光スポットを目指しても、すでに秋葉原、中野、池袋が集客力を持っている。駅から少し離れている立地もあってとてもこれらの街にはかなわない。上映スクリーンに目玉作品を持ってくるくらいしないと来館者は伸びなさそう。

残念ながら常設施設として維持していくのは困難なんじゃないだろうか。既存公営施設のワンフロアを再利用、入場料無料とつつましやかにがんばっているが、再考した方がよさそうである。

別に振興策は施設作りだけではない。関係者は知恵をしぼってほしいと思う。

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2006年9月18日 (月)

ラノベとアニメの親和性

SFに詳しい方とお話する機会があった。SF小説で最近勢いがあるのはライトノベルものだそうだ。アニメがブームとなり朝日・日経新聞にも紹介された、「涼宮(すずみや)ハルヒ」シリーズもSFラノベが原作。

ラノベとアニメは相性が良い。「ブギーポップは笑わない」「灼眼のシャナ」「マリア様がみてる」等々ラノベ原作アニメは多い。挿絵がすでにアニメチックで、「今日からマ王!」は挿絵漫画家がアニメのキャラデザインも担当している。

ラノベで良かったアニメ作品は、「スクラップド・プリンセス」(2003年、監督:増井壮一、制作:BONES、放映:WOWWOW)。

異世界のとある星の王国で双子の王子王女が生まれる。王女は16歳の誕生日に世界を滅ぼすとの予言が降りる。王は幼子の「廃棄王女」を殺すよう命令するが、王妃と側近の部下は王に隠れて彼女を逃がす。側近の家臣の娘パシフィカとして育つ彼女に、追っ手はまたもや迫る。パシフィカは姉ラクエル、兄シャノンとともに逃亡の旅に出る。

剣と魔法とお姫様が登場するヒロイックファンタジー。「廃棄王女」の意味が明らかになってくるにつれ、高度な文明間の勢力争いがそもそもの発端だと判明、後半は結構ハードなSF物に。

ただし、「すてプリ」の醍醐味は登場人物間の信頼関係を描いている点にある。一行は遠い親戚を頼ったり旅先での様々な人との出会いがあるが、パシフィカが「廃棄王女」だと知ると周りの人間に葛藤が生まれる。絶望的な旅に見えるが、パシフィカがあまり後先考えない明るい性格が救いだ。

ラノベはト書きで登場人物の心理を丁寧に描くことが可能だ。アニメ制作陣にとっては、キャラクターの内面をよく理解したうえでストーリーを作れるのが強味かもしれない。

「すてプリ」は地上波で放映されたことがないのが残念。「キングゲイナー」といい、最近多いなあ。

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2006年9月 9日 (土)

サブカルの自由市場論

TSUTAYAの半額レンタルセールに行って来た。毎度のごとく観たい作品リストから、お気に入りアニメタイトルをゲット。

レンタルショップを訪れる際にいつも感じるのが、同じ作品を何十本も店頭に揃えていること。ハリウッドの注目作品に多い。

店側としては売れ筋(借り筋か)作品をたくさん置く方が儲けがいいという判断だろう。ただ、売れるからたくさん置くのか、たくさん置くからよく売れるのか、は鶏が先か卵が先か、のようなもの。入店して真正面に何十本もの同一タイトルをずらりと並べるのは、借りたいDVD・ビデオを特に決めずふらっと来店したような客には効果的だ。

もっと注意しなくてはいけないのは、同一タイトルを何十本も置くことはそれだけマイナー作品が店頭から消えて無くなる、ということ。限りあるスペースであれば当然の結果だ。

映画界でも事情はよく似ていて、メガヒット作品が上映館を独占する傾向があるそうだ。シネコンの普及はこの傾向に拍車をかけた。シネコンに入ったことはないが、買い物ついでに観る客には売れ筋作品を並べるのが無難なんだろう。ここでも映画館の総数が増えない限り、マイナー映画の発表の場は少なくなるばかりだ。

法学分野で「思想の自由市場論」という考えがある。あらゆる思想について送り手に自由に発表させ、受け手にその思想が良質かどうかを判断させる。その思想が受け入れられるかどうかを市場での自然淘汰に委ねる、という考えだ。

芸術作品にもサブカルチャーにもあてはまる考えだと思う。とにかく発表の場がなければ良い作品かどうかもわからない。配給会社や映画館の関係者は肝に銘じてほしい。

消費者も見識眼を養うべき。特に横並び意識の強い日本では、意識的に心がけなければならない。派手な広告宣伝だけに惑わされてはなりませぬ。

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2006年8月19日 (土)

当世アニメカラオケ事情

アニメ特撮カラオケに行って来た。参加者はアニメソングや特撮ソングばかり歌うとりきめで、もはやおたくのレジャーのひとつとして定着した感がある。

首都圏でよく利用されるのはパセラチェーン店。ほぼすべての通信カラオケメーカーをそろえており、店内にアニメ特撮専用コード本を置いている。パセラもおたくの利用率が高いことを承知で、ロビーに「アニカン」というアニメ音楽用フリーペーパーも置いている。

ずっと以前はセガが曲数が多いといわれたが、そのうちハイパージョイサウンドに映像付きが多いといわれ人気が出た。今はDAMが一番人気のようだ。同じ映像付きでも曲の冒頭から終わりまでずっと違う映像で、しかも本編ストーリーからの映像を多用しているからだ(ハイパージョイはOP・ED曲のバックに流れる映像を2,3回繰り返して編集している)。顧客の需要が背景にあったとはいえ、つくづくおたくの要求は高いなあと思う(笑)。

初めて参加した際は、自分の歌える曲は他の人が歌ってしまい、何時間も持つだろうかと心配したものだ。意外と他の人とかぶることはほとんどない。考えれば、ひとつの作品でもOP・ED曲(1クールごとに新調する作品もある)、挿入歌、映画化すれば専用の主題歌、キャラクターソングもある。アニソンの総曲数は相当なもので、昨今の異様なアニメ放映数からして人それぞれ観ている作品の傾向が違うからだろう。

他の場(職場のつきあいとか)では歌えない歌を歌える、という効用はもちろん、新たな作品情報ゲットの場としても有用だ。最近のアニソンは歌詞をストーリーに合わせてくるものが多いし、映像付きなら作風もわかる。アニメ誌を買わなくなって久しいので、アニカラオフは貴重な情報源。

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2006年8月13日 (日)

新海誠に続け、と言っても

コミケで友人のサークルを手伝いに行って来た。同人誌作りで長いキャリアを持つベテランで、例によってアニメ・コミックのファンでもあるのでひとしきりおたく話に花も咲かせた。

この友人にWebのアニメーションキャラクター作成を依頼する機会があった。高さ3センチほどの女性のキャラクターだが、ちゃんと影もついて動くと髪の毛先もそれに合わせてはねたり、素人目から見ても本当によくできている。現代のPC環境では、ひとりでもそんなに苦もなくこのようなアニメーションが作れる、とのこと(私には到底無理だが)。

そこで思い出したのが、3年ほど前に「ほしのこえ」を作った新海誠(しんかいまこと)。30分弱ほどのアニメ作品を、ヒロイン役の女性声優以外ひとりで作ったことで注目を浴びた。2004年には劇場映画「雲のむこう、約束の場所」を制作、一気に若手新進監督として名をはせている。

東京都が後押ししている、クリエイター支援プラン「動画革命東京」は、新海誠に続け、との思惑があるそうだ。

ただ、業界の人の意見では、新海誠は極めてレアケース、あまり模範にはならない、とのこと。このような行政の支援も悪くはないけれど、といったところだった。

アニメ作品は1話分でも100人近く(動画数が多い作品では150人からかかわる)がかかわるチームプレイの企画だ。ひとりの傑出したクリエイターだけで作られるわけではない。この点個人プレーのコミックスと同様には論じられないと思う。

第二、第三の新海誠をみつけるより、チームプレイを円滑にすすめるため、制作環境や条件をいかに整備するか、の方に知恵をしぼる方が日本アニメの将来には資すると思うのだが。

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2006年8月10日 (木)

遅れてやってきた夏映画

劇場版「遥かなる時空(とき)の中で 舞一夜」(2006年、監督:篠原俊哉、原作:コーエー、制作:ゆめ太カンパニー)の試写会に行って来た。

京を怨霊から守るため、高校生あかねは龍神の神子(みこ)として異世界の京に召喚され、八葉という男達に守られていた。京では平安祈願のため舞殿が造られては焼失するという事件が続発。そんなある雨の日、あかねは記憶を失い自分の名前すらわからない青年に偶然会う。

シミュレーションゲームが大ヒットした同作品名が原作の、初映画化。ヒロインの周りに多彩な男性が活躍する逆ハーレム状態が売りの、女性オタクの共通言語となっている作品だ。

ゲームをしたことがなく、設定も全く知らないがオリジナルストーリーに仕上げており、結構楽しめた。台詞を丁寧につむぎ、京の風景や水・雨のシーンでキャラクターの心理状態をうまく描いている。最後、謎の青年季史が舞を舞うシーンは見どころ。

元が女性向け恋愛シミュレーションゲームなので、ベタなところも少々ある(あかねが恋に落ちているそうだが、そんな風には見えなかった)。それにしても平安風の風景・生活描写、衣装小物だけでも彩りがあって観る価値あり。キャストが実力派声優陣なので聞いてて安定感がある。音楽も耳に心地よい。

夏のアニメ映画ラッシュだが、派手な広告宣伝に踊らされずこういった地味でも良作に目を向けるべきだと思う。19日公開予定。

それにしても川上とも子は主役が多いな。

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2006年8月 5日 (土)

面白さの基準

レンタルショップ「TSUTAYA」がユーザー向けネット配信で「今見るべきアニメベスト100」を流している。どういう基準でランク付けしているかよくわからないが、100位から11位まで発表。ベスト10は10日発売のアニメ誌「Newtype」に掲載するらしい。

ゴールデンタイムのTV番組で時々似たような企画があるが、ジャンルがキッズ向け、ファミリー向け、ジブリ物、と偏っており(何よりも自社局放映の作品に偏る)あまり参考にならない。「TSUTAYA」の今回の配信はアニメ誌と提携していることもあって、そこそこジャンル的にバランスがとれている。

目をひいたのが作品についているファンかスタッフのおすすめコメント。「ストーリーがよい」「映像がきれい」「キャラクターが魅力的」「独特の世界観」など。自分が観て面白かった作品についても、自分のと理由が違うこともありどこが面白いか人それぞれ違うのだな、と感じる。

自分の面白さの基準はストーリーが良いかどうか。映像がきれいだったり、キャラクターが魅力的であればそれにこしたことはないが、ストーリーが面白くなければそれこそ「お話」にならない。よく口コミで面白い作品情報を仕入れるが、面白い理由がキャラ萌え、はあまり参考にならない。キャラ萌えは人により違うのであてにならないからだ。楽しみ方は人それぞれだが、ストーリーはさておきキャラ萌えしかしない作品というのは、正直ピンと来ない。

DVDレコーダーが普及してDVDソフトの売れ行きが落ちているそうだ。最高画質でハードディスクに録画、DVD-Rに保存すれば、DVDソフトと画質的にはそれほど差はなくなっている。そんなご時世であえてDVDソフトを買わせるには、ストーリーはさておき映像の質を極めキャラ萌えする作品を作らざるを得ないのかな。ストーリー派としては寂しい限り。

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2006年7月22日 (土)

構造とキャラクター

「ハウルの動く城」(2004年、監督:宮崎駿、制作:スタジオジブリ)をTVオンエアで初めて観た。

「国民的アニメ」なので筋は省略。

制作者のメッセージ、何を伝えたいのかを読み取るのが難しい。ハウルを助けたいというソフィーの思いから、勇気を持てと言っているのか。それにしてはソフィーは特別何もしていない。ハウルが「守りたいものがみつかった」と言い残したので、城をいったん壊したり、指輪の光に導かれてハウルを探しに行ったが、これでは何かをしたとは言えない。

強烈なメッセージを発していたコミックス版「風の谷のナウシカ」から隔世の感だ。

ストーリーがあるのかどうかもよくわからない。魔法と20世紀初頭くらいのレベルの軍事力が並存する欧州風の世界で、各キャラクターの日常生活が描かれる。ソフィーにかけられたのろいが解かれるところでジ・エンドかと予想したが、その予想ははずれた。盛り上がるシーンがなく、起承転結がない。

大塚英志が「宮崎アニメには構造とキャラクターしかない」と評している。「もののけ姫」以降は、民話のパターンを踏襲しているだけだそうだ。舞台設定の説明とキャラクターの日常描写だけでストーリーがない、ということなら、納得できる。

それでも「もののけ姫」ではそれなりのメッセージは感じられた。「千と千尋の神隠し」では千尋の両親ののろいは解けたし、その過程で千尋の成長物語は楽しめた。「ハウル」は前2作と比べ物足りなさを感じる。

木村拓哉は予想よりは好演。声の演技の最低レベルはクリアしていたと思う。倍賞千恵子はちょっとつらい。本職のベテラン声優でもないと、18歳の少女と老女の2役は荷が重過ぎる。

キャラクター萌えができないと楽しめないかな、というのが正直なところ。本作ではやたらとおかっぱ男が多いな。

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2006年7月17日 (月)

続・原作つきアニメを成功させるには

「ヒカルの碁」アニメシリーズ(75話分とスペシャル番組「北斗杯への道」)を観終わった。続いて原作コミックス番外編を除く全22巻(1999年、原作:ほったゆみ、漫画:小畑健、週刊少年ジャンプ連載)も読んだ。

どちらも色々な切り口で楽しめ、たいていの人はどれかの切り口にひっかかるのでおすすめ。

囲碁が全くわからない人でもOK。思い起こせば、野球やテニスのルールが分からなくても「ドカベン」や「エースをねらえ!」は楽しめた。それと同じなのだろう。ファンの子どもたちが囲碁教室に押しかけたのもよくわかる。囲碁ってかっこいい、と思わせるようなストーリーなのだ(囲碁と全く縁のなかったヒカルに言わせているところがうまい)。

脇役や大人キャラが、きちんと役割があって活躍しているところも良い。緒方十段や桑原本因坊が意外と重要な役回りなのはうれしいところ。

コミックスでは、佐為が消えた後第二部が面白くない、というファンの声もある。面白さの切り口、佐為の謎がばれそうでばれないサスペンス、ヒカルとアキラのメロドラマ(笑)は確かに第一部で終了してしまった。それでも、白熱した囲碁バトル、少年の成長物語、囲碁界というめずらし業界もの、という切り口では十分楽しめる。

アニメは、オリジナル展開をしない原作付きアニメとして、まれに見る傑作。碁打ちシーンは、動きの出せるアニメの特性をとても生かしている。「どこを探してもいなかった佐為がこんなところにいた」のクライマックス、佐為の扇子が碁を打つヒカルの手と平行して動くアニメオリジナルシーンは、背筋がぞくっとするくらい秀逸だった。コミックスに比べ作画が良くない、という声もあるが、アニメは半端ではない動画数が要るので、比較は酷だと思う。

「デスノート」が終了したので、少しは手があいた小畑健氏に続きを描いてほしいものだ。ほったゆみ氏にその気がなければ無理だけど。

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2006年7月15日 (土)

最近革命は流行らないけれど

たびたびブログで引き合いに出す「少女革命ウテナ」(1997年、監督:幾原邦彦、制作:J.C.STAFF、放映:TV東京他)について。

主人公少女ウテナは転校先の学園で奇妙な「決闘」に挑むことになる。それは、「薔薇の刻印」という指輪を持つ者で行い、勝者が「薔薇の花嫁」であるアンシーを獲得する(エンゲージする)というものだった。アンシーは「世界を革命する力」を得る鍵らしい。

誰が何のために「決闘」させているのか。ウテナはなぜ最初の決闘で西園寺の真剣相手に木刀で勝ったのか、何か特別な力があるのか。エンゲージした相手にアンシーはなぜ完全服従するのか。なぜウテナに次々に決闘相手が挑んでくるのか。「世界を革命する力」とは何か、云々。

こういった謎を抽象的なシーンや意味深長な台詞(冬芽(とうが)やアンシー、2クール目からは暁生(あきお)のものが多い)から解いていくのが醍醐味。途中で影絵を使った幕間劇が入るが、その掛け合いが毎話のメッセージを暗に含んでおり、どきっとさせられる。

初めてTVアニメでDVDソフトを購入した作品。謎解き物としても、少女の精神的自立と友情を描いたフェミニズム視点から観ても、面白い。アンシーに何度か裏切られながらも、「キミを救う王子様になりたい」というウテナのまっすぐな「心の気高さ」に共感する。

最後に敵役となるアンシーの兄暁生にも注目。「王子様」を演じることを周りから過剰に期待され、悩み苦しみ、オールマイティたるディオスの剣を追い求める姿に哀れみを感じる。他に、届かぬ想いを胸になお奇跡を信じる樹璃(じゅり)、飽くなき永遠を求める草時(そうじ)、も魅力的。「ウテナ」は声優陣の演技もみなピカ一だ。

OP曲はストーリーにばっちり歌詞を合わせてきている。決闘時に流れる歌はひとつずつ違うという凝りよう。最終回ラストシーンに流れるOPアレンジ曲は秀逸だ。

ストーリー、演出、演技、音楽、作画、総合力で傑作。影響力も大きく、「LOVELESS」やコミックス「放課後保健室」は、明らかに「ウテナ」の影響を受けていると思う。

最近は「改革」流行りで革命はあまり聞かれなくなった。新しい境地を開く本作は革命的といえるし、ラストでアンシーがひとり旅立つ姿を観て、人ひとり変えるのはひとつの「革命」だな、と思った。

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2006年7月10日 (月)

大人は語らねばならない

コミックス「デスノート」(2004年、原作:大場つぐみ、漫画:小畑健、週刊少年ジャンプ連載)の最終巻を読んだ。実写映画のロードショウに合わせたグッドタイミング発売。

キラVSニアの最終対決は、主役キラこと月(ライト)の敗北。ジャンプのコンセプト「努力、勇気、友情、勝利」をことごとく裏切ってきた本作だったが、最後、メロがライバルであるニアをフォロー(片面的ではあるが)、「友情」らしきものだけは感じられた。ニアの「二人ならLに並べる。二人ならLを超せる」は名台詞。

逆に月は最後、誰も助けてくれない、あるいは肝心な時に助けてくれそうな味方がいない。自分がトップに立ち、すべての人間と死神を駒としか扱わない報いを受ける、残酷な結末だ。

月の目線でストーリーがすすんできたので、大量殺人犯月の方に正義あり、と思う人も結構いるだろう。悪いヤツはどうしようもないから死んだ方がマシ、と考えている大人もいる(実際自分の身近にいる)。

原作者のメッセージは、何が正義かは結局自分で考え判断するしかない、とのこと。少年誌のメイン読者・小中学生には難しいメッセージだ。大人だって説得力を持って答えるのは難しい。それでも大人たちは自分はどう考えるか語らねばならないと思う。沈黙は一層子どもたちを不安にさせると思うからだ。

人をひとり殺した犯罪人でも、その後更生して逆に2人、3人の命を救うことだってありうる。その犯罪人の命を絶つことは更生の可能性をゼロにしてしまう。裁判官が死刑判決を宣告する際、極度のストレスがかかるのは、可能性をゼロとする重みを感じているからだと思う(実際その他の理由もあって死刑制度は大多数の国で廃止されている)。

キラの「裁き」はどういった基準でなされているのかあいまいだ。TVやネットで目にした凶悪事件の被疑者をターゲットにしているが、個々の事件の背景事情を十分に調べてもいない。全世界中の「裁き」を月とミサ、あるいは月と魅上・高田という少人数で実行しているので、調査が雑になるのもあたりまえなのだが。

どの悪人を殺すか生かすか、なんて人間には判断がつかない。凶悪犯罪をなくすのは、地道な治安対策や公平公正な裁判によるべきと思う。

自分はどう考えるか、自分の言葉で語るべきだ。その際大事なのは他人の意見に謙虚に耳を傾けること。上から子どもに説教するのではなく、同じ目線で語ること。偉そうなことは言えません、大人だって分からないことが多いのだから。

10月からTVアニメがスタートするらしい。キャストはぜひ本職の声優をあててほしい。

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2006年7月 3日 (月)

予期せぬ展開アニメ

「トップをねらえ!」が劇場版公開されるそうだ。パート1(1988年、監督:庵野秀明、制作:GAINAX)、現在リリースされているパート2をまとめて制作中とのこと。

パート1は、スポ根ものとして有名な某テニス漫画原作のアニメ(「テニスの王子様」ではないですぞ)をいかにも真似た展開でスタート。主人公ノリコが、憧れのお姉さまを目標にコーチの厳しい指導で、宇宙パイロットを目指すさまが描かれる。

パイロット養成は宇宙から謎の侵略者の攻撃に備えるため。初の実戦でとまどうノリコは、自分をかばった大事な戦友を亡くす。悲しみに打ちひしがれるノリコは決意を新たに。

クライマックスは、ノリコがお姉さまとともに合体ロボット・ガンバスターのパイロットになり、謎の宇宙怪獣を倒すところ。これでジ・エンドかと思われたが、ストーリーは意外な展開をたどる。

この後地球陣営は宇宙怪獣退治の遠征を決定。ワープ航法を重ねるパイロット達は、地球にいる人達と時間の経過が異なる様が描かれる。同期のパイロットが家庭を持っているのに、ノリコは年を取らず10代後半のまま。

このSF設定からくる悲劇が終盤はじわじわと効いてくる。最終話最後のシーンは涙なくして観られない。

予期せぬ展開が良い方に転んだ佳作だと思う。劇場版に期待。

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2006年6月30日 (金)

80年代黄金期(下)

「蒼き流星SPTレイズナー」(1985年、監督:高橋良輔、制作:サンライズ、放映:TV東京他)について。

火星基地に実習に来ていたアンナ達は、「地球は狙われている」と警告に来た異星人の少年エイジと遭遇。エイジは人型ロボットSPTでグラドス星を脱走、グラドスと地球の間に生まれた子どもだった。次々に闘いを仕掛けてくるグラドス人を必死に説得するエイジだったが・・・。

異星人とのファーストコンタクト、SFロボット物をリアルに描いた秀作。米ソばらばらにあった火星基地は、侵略者への反撃を機に互いに攻撃し合い全滅。避難民となったアンナ達はなんとか地球に帰るものの、グラドスの総攻撃にあえなく地球は降伏。2クール目は、グラドス占領下でのゲリラ活動が描かれる。

人間ドラマとしてもみごたえあり。最初エイジを信用しなかったアンナ達がだんだん心を通わせていくプロセスが丁寧。エイジの姉ジュリアの婚約者でエイジの良き理解者であるゲイルが、軍人としてエイジを連れ戻しに来るが、エイジとの駆け引きがもの哀しい。SPTのコンピューターは音声でパイロットに指示するのだが、この声が人なつっこい。

監督の高橋良輔氏は、「ダグラム」「ガサラキ」でリアルな政治ドラマを、「ボトムズ」で人間ドラマを描いている。「レイズナー」はこの2つのエッセンスがうまく混じり合っていると思う。

オリジナルアニメ全盛の80年代も終わりごろになると勢いは衰えていく。アニメ誌も「アニメージュ」「アニメディア」「ニュータイプ」以外は廃刊。原作つきアニメは、原作の出版元との兼ね合いで記事を載せにくいという事情があるらしい。オリジナルの減少はそれだけアニメ誌の記事減少を意味する。

追い討ちをかけたのが、80年代末の宮崎勤事件。これ以降、TV局でアニメの企画が通りにくくなったそうだ。TVアニメは、オリジナルアニメゼロ、ファミリーアニメ、原作つきアニメだけといった時期もあった。日本アニメは冬の時代に突入する。

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2006年6月21日 (水)

80年代黄金期(中)

「とんがり帽子のメモル」(1984年、シリーズディレクター:葛西治、制作:東映アニメーション、放映:TV朝日他)について。

少女メモルは家族や仲間たちと地球に住むリリル星人。宇宙船が地球に不時着し、地球人に知られないようにひっそり森の奥深く暮らしている。ある日、森の別荘に静養に来ていた地球の少女マリエルが息をひきとる。どうしてもマリエルを救いたいメモルは、リリル星の科学でマリエルを生き返らせてもらう。

マリエルとメモルたちとの暖かい交流を丁寧に描く隠れた名作。4クール続いた大作だ。リリル星人は人間の手のひらに乗るくらいの大きさ。マリエルの手の上に乗るメモルはとても絵になる。今風にいうと萌え度抜群。背景美術が秀逸で叙情的な森の風景がとても美しい。

リリル星人は決して地球人の前に姿を現さない。動物に遭遇すると死んだふりをする。子どもたちは毎朝ゴロニャン体操で死んだふりの練習をさせられる。地球人とのファーストコンタクトはまだ危険、という彼らなりの判断があるのだろう。それだけにメモルとマリエルの友情に救われる思いだ。

最近DVD-BOXが発売されたからか、ネットで結構感想を見る。心が癒されたい人、アートなアニメが好きな人、ピアノ音楽が好きな人にはおすすめ。視聴者を選ばない作品。

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2006年6月18日 (日)

80年代黄金期(上)

「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」(1984年、監督:押井守、制作:スタジオディーン)について。

ラムやあたる達は学園祭の準備にいそしんでいた。泊り込んでいるのにいっこうに進まない準備、繰り返されるバカ騒ぎ・・・。そのうち担任の先生が、サクラ先生が、しのぶが、面堂が、いつまでたっても学園祭がこないことに気づき、なぞを探索するうちに姿を消していく。

80年代はアニメ黄金期と言われている。TVアニメが週40本の大台にのり、アニメ誌も「アニメージュ」「アニメディア」「ニュータイプ」「OUT」「ジ・アニメ」「マイアニメ」「アニメック」と書店をにぎわしていた。

「ビューティフル・ドリーマー」は、押井解釈版「うる星やつら」。原作コミックスのラブコメからあまりにも離れているので、好き嫌いは分かれるようだ。

夢と現実の違いは思われている程違いはないのでは。一番楽しいのは祭りの前。男性(あたる)はたくさんの女性に囲まれているのが幸福だというが、実は女性(ラム)も好きな男性とふたりっきりより仲間と楽しく過ごす方が幸福なのでは。色々読み取れるするめみたいな傑作だ。

映像と音楽が幻想的に美しい。風鈴のシーンや水族館のシーンは秀逸。メガネの長ったらしい台詞も健在。

TVシリーズの「うる星やつら」を観ていなくても十分筋はついていける。原作を相当「壊している」ので、「うる星やつら」ファンより一般のアニメファンの方が楽しめるかもしれない。

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2006年6月13日 (火)

海外で人気のある作品(下)

「千年女優」(2002年、監督:今敏(こんさとし)、制作:マッドハウス)について。

ときは明治。主役の女学生・千代子はひょんなことから政治犯として追われる画家をかくまう。この画家は千代子に鍵を預け中国に逃亡。彼に恋する千代子は鍵を返しに会いたいという想いだけで、中国でロケを行う映画に出演を承諾。千代子の恋する女性の演技は観客を感動させ、女優としてのスタートを切る。

その後、戦国時代の落城の姫、女忍者、遊女、など千代子は想い人を追いかける女性を演じ続ける。各場面の切り替えが流れるように華麗だ。千代子はただ自分の想いに忠実に動いているだけだが、観客は千代子の演技に本物の香りを嗅ぎ取り、出演作品は立て続けに大ヒットする。

「千年女優」は、スペインやカナダで国際映画祭の作品賞を受賞している。ストーリー、演出、映像とも芸術的要素の強い作品だ。2002年というと「千と千尋の神隠し」がメガヒット、これに隠れてあまり注目されていないのが残念。

今敏は、本作以外にも「パーフェクトブルー」「妄想代理人」と、人間の思い込みや妄想を描くのが得意だ。だんだん現実と妄想の区別が、登場人物にも視聴者にもわからなくなってくるところが見せ所。「千年女優」ではこの千代子の思い込みを美しく哀しく描いている。

何十年も千代子は「鍵の君」を捜すが、ある日、名前も顔も覚えていないことに気づく。最後のシーンの千代子の台詞は、「あの人を追いかけている私が好きだった」。

ストーカーが相手を追いかけるのは、相手を好きだからではなく、追いかけている自分に陶酔しているからだ、と聞いたことがある。どきっとさせられる映画。

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2006年6月10日 (土)

海外で人気のある作品(中)

「天空のエスカフローネ」(1996年、監督:赤根和樹、制作:サンライズ、放映:TV東京他)について。

女子高校生ひとみは、突然異世界に飛ばされる。そこは様々な国が群雄割拠する中世風世界。たまたま王となる儀式・竜退治をしていたバアンという王子に遭遇。ここでは地球は「幻の月」と呼ばれ、地球から来た者は特殊能力を持つとされることから、ひとみはバアンの国・ファーネリアに迎えられる。ところが軍事帝国ザイバッハに侵略され、バアンは伝説の可変装甲メカ・エスカフローネを起動、ひとみを連れて脱出する。

剣に魔法にお姫様にアドベンチャーにと、ヒロイックファンタジーの要素をふんだんに盛り込んだ作品。ゲームでは「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」が登場した頃か。

「信じる心は報われる」というまっすぐなすがすがしいメッセージが感じられる。生き別れの妹を捜す最強騎士アレン、竜に憐れみを感じて竜退治を拒みザイバッハに寝返ったバアンの兄フォルケンなど、脇役も魅力的。ひとみのタロットカード占いを、ストーリーの鍵を握る「運命論」にうまくからませている。ガイメレフの迫力ある重厚な戦闘シーンは現在でも十分みごたえあり。

「エスカフローネ」は海外、特に韓国でヒットした。映画も日韓で公開された。正統派ヒロイックファンタジーの持つスケールの大きさが原因か。音楽は現在アニメ音楽の巨匠となった菅野ようこ。中世世界の神秘性と重厚性をいかんなく表現している。

正統派作品だが、どきっとするようなシーンもある。最終回、ザイバッハに精神改造された妹・ディランドゥを見つけるアレンとバアンが、味方同士でありながら、ガイメレフで闘ってしまう。バアンはひとみを守るために闘うというが、ひとみは守ってくれなんて頼んでいない、と闘いをやめるよう説得する。思い込みの激しさが果てしない闘いを生んでしまう、というメッセージだろうか。ヒロインを守るはずのヒーローが、ヒロインから守ってくれなくていい、といわれるのもなかなか新鮮だ。

荒唐無稽なエピソードもあるが(「恋の黄金律作戦」とか)、全体としては視聴者をあまり選ばない佳作。もっと注目されてもいいと思う。

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2006年5月27日 (土)

原作つきアニメを成功させるには

ストーリーが良い、と聞いたので「ヒカルの碁」(2001年、監督:西澤晋、制作:スタジオぴえろ、放映:TV東京他)を観てみた。

主役の小学6年生ヒカルにある日、平安時代に帝の囲碁指南役だった佐為(さい)という幽霊が現れる。佐為はヒカルにどこにでもついて来て、囲碁をやらせてくれ、とせがむ。ヒカルは碁会所に行き、そこにただひとりいた子どもと対局。佐為の指示通りに碁を打ち、あっさりその子ども・アキラに勝ってしまう。同じく小学6年生アキラは塔矢名人の息子で、2歳から碁を打ってきたすでにプロ並の実力者だから、アキラは大ショック、周りは大慌てする。

多くの子どもが囲碁を始めるきっかけを作った、週刊少年ジャンプ連載人気コミックスが原作の大ヒットアニメ。囲碁は全くルールを知らないのだが、レンタル第1巻第3話まで観る限り、非常に面白い。

原作つきアニメは成功するケースが少ない中、本作はかなり成功しているんじゃないか。失敗する原因としてよく言われるのは、絵がコミックスと違う、キャストがキャラクターのイメージに合わない、など。

コミックスとアニメは本質的に違う媒体なので、コミックスをそのままアニメ化すると違和感が生じるからではないか。コミックスはコマからコマへ読者の目線のペースでしかも同じスピードで動く。アニメは画面から画面へ制作サイドのペースで、しかも演出上意図的に速くしたりゆっくりしたりすることが可能だ。

BGMは曲だけ聴いてると劇場作品かロボットアニメかと思うくらいのフルオーケストラ。OP曲と、特にED曲のイントロへのつなげ方が絶妙だ。碁盤を天井から写して180度回転させる(相手方から観るシーンへ切り換わるということ)シーンなんか大迫力だ。囲碁打ちシーンでこんなに迫力を出せるなんて、観るまで正直想像していなかった。佐為がヒカルにどこに碁を打つか指示する台詞は緊迫感を高める。

原作は未読だが、もともとのコマ割がアニメ向きなのかもしれない。そういえば人気ジャンプ作品はほとんどアニメ化されている。アニメ化前提でコミックスが創られているのかな。

キャラクターも魅力的。佐為はお茶目で感激屋(140年ぶりに碁を打つ時は涙を流していた)。ヒカルは無邪気でやんちゃな現代っ子。アキラは努力を惜しまないひたむきな少年(ヒカルを探しに、閉じかけた電車のドアをこじ開けたりする熱血派)。ちょっと日常離れしたキャラが多いのも(佐為は幽霊なんだから仕方ないが)、ある意味囲碁は芸術の世界に近いからか。

これから80話近くのつきあいとなるわけだが、心配な点もある。声のキャストは替わらないらしいが、どんどんキャラは成長して行くので、女性声優で大丈夫か。ヒカル役川上とも子、アキラ役小林沙苗とどちらも演技派だが、少年声を専門にはやっていないので、中学生後半くらいになるとしんどそう。

レンタル屋のキッズ向けコーナーでみつけたが、少年の成長物語として描くようで、囲碁を知らない大人でも十分楽しめる。もちろん囲碁好きな大人にもおすすめ。

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2006年5月26日 (金)

海外で人気のある作品(上)

「攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL」(1995年、監督:押井守、制作:Production I.G.)について。

人間・サイボーグ・ロボットが共存する、高度にネットワーク化された未来社会(舞台は香港っぽい)。公安9課に属する主役・草薙素子(くさなぎもとこ)少佐は、脳以外はサイボーグ化された、チームリーダー。相棒バトーや全身生身のサエグサ達といっしょに、高度なネット戦略やアクションをもとに難事件を解決していく。

素子は肉体を何度か失っているようだが、脳だけ移植して生き続けている。繰り返される移植を経て、今の自分はもともとのオリジナルの自分と本当に同じなのか、確証を持てず苦しむ。「(頭の中で)ゴーストがささやく」という台詞が時々出てくるが、過去の記憶と関係しているらしく、これが確証の鍵なんじゃないかと思った。

全米ビルボードのビデオセルチャートで第1位をとり、全世界に名をしらしめた作品。理屈っぽい長ったらしい台詞と、ハードボイルドを極めた押井作品の典型だ。ちなみに「イノセンス」は本作の続編。

海外では、アニメというとまだまだ子どもの観るもの、というのが一般的だそうだ。本作は、ストーリー性を持ち(日本アニメは大抵持ってるが)しかもサイボーグのアイデンティティという硬いテーマを果敢にとりあげたところに、海外での人気の原因があるのかなと思う。劇場作品なので、アクションシーンはじめ映像も完成度が高い。

日本アニメにも萌えアニメ、燃えアニメ、名作アニメ、お茶の間アニメ等色々あるが、アニメファンでない大人が最初に観るアニメとして、本作のようなクールアニメは比較的入りやすいかもしれない。ただし、台詞が難解なのでながら視聴は無理。ずっと画面にはりつく必要あり。

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2006年5月20日 (土)

効果的な公共投資

アニメ制作関係者の方とお話する機会があった。

一致した意見は、国や自治体の振興策はピントがずれている、ということ。

3月の東京国際アニメフェアについていえば、まず、東京アニメアワードを受賞しても制作会社やクリエイターには何のメリットもないそうだ。商業アニメ部門についてはそうじゃないかと思っていたが、アマチュア部門についても特にメリットはないらしい。

見本市についても、制作会社がそこで受注することはまずないそうだ。TVアニメや劇場用アニメはだいたい決められたルートで企画が固まるらしい。ブースを出すメリットがあるのはDVDソフトなどのメーカーくらい。海外から買い付けに来るバイヤー相手との交渉を行うらしい。

ほとんどの出展者にとって、せいぜいファン向け自社の広告宣伝くらいの位置付けか。宣伝の場提供なら民間が行えばよいのであって、東京都が予算つけて実施する意義はないだろう。

どうやらこのイベントは石原都知事の軽い思いつきによるらしい。都職員もふりまわされているんじゃないか。一般公開日に産業労働局(本イベントの担当部局)の職員さんに案内してもらったが、あまり要領を得ていないようだった(前日にまわった自分の方がまだ事情がわかるかも)。

規模を縮小して減らした予算を他の方法にあてるべきだ。低利の融資、家賃補助、アニメ工業団地など、直接業者の足腰を強化する方が効果的だと思う。

世の中、公共投資の削減流行りだ。予算の削減というと数字の大小ばかりが注目されがちだ。機械的に削減するのではなく、成長の見込める分野には効果的な方法で、公共投資を行うことが重要だと思う。

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2006年5月18日 (木)

早すぎた実験作

「最近の作品が多いね」と友人に言われたので、「哀しみのベラドンナ」(1973年、監督:山本暎一、制作:虫プロダクション)について。

時は中世、新妻ジャンヌは、夫ジャンと田舎のとある村に住んでいる。領主へ納める年貢は非常に過酷で、ジャンヌはジャンのため骨身を削って働く。商才あるジャンヌは村一番の稼ぎ頭になり、ジャンを年貢取立人にまで出世させる。

ただ、最初からジャンヌ夫婦は領主とその妻に目をつけられており、ジャンは領主からどんどん取り立てを求められる。苦悩するジャンヌは、愛するジャンのため悪魔と契約してしまうが・・・。

ストーリーからしても大人向き。この何年か前から、「クレオパトラ」「千夜一夜物語」と大人向けのアニメ作品を虫プロは創っていた。この2作品はまだしも、原作がほとんど知られていない「ベラドンナ」は興行的に失敗、虫プロ倒産の原因になったらしい。

今でこそ、難解という意味で「イノセンス」、お色気という意味では一部の深夜アニメに大人向けのアニメ市場が確立している。

73年というと、「ヤマト」も登場していなかった時期。劇場に足を運ぶまでの大人のアニメファン市場はなかっただろう。制作者サイドの完全なマーケットリサーチミスだと思う。

後半、ジャンヌは村から追放され、ジャンにも見捨てられる。が、ジャンヌはめげずに病気や貧困に悩まされる庶民のよりどころとなる「解放区」を作る。荒野で教えを説き十字架にかけられた、イエス・キリストの生涯を思い起こさせた。

水彩画をベースにした映像、お色気シーンを線画で表現、という点も見どころ。今劇場公開されたら結構ヒットするんじゃないか。73年当時では早すぎたんだな思う。

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2006年5月14日 (日)

11万人のうちのひとり

「オタク市場の研究」(著:野村総合研究所オタク市場予想チーム、東洋経済新報社)のアニメオタクの章を読んだ。

アニメ、コミックオタクから芸能人、鉄道オタクまでオタク総人口170万人、市場規模4100億円と算出して話題となった著作だ。アニメオタクは人口11万人、市場規模200億円だそうだ。

アニメオタクは、鑑賞系をベースに知識・評論系、声優系、アニソン系、創作系、コスプレ系に分類されるそうだ。こんなブログを立てて、ときどきアニメ特撮カラオケに参加する自分は、知識・評論系、アニソン系かな。

ビジネス的視点からオタクおよびオタク市場をウオッチすると、ピントがはずれることが多いが、本書はそこそこ健闘している。

アニメオタクご用達のカラオケ屋は「パセラ」とか、同人サークルの作家が別の作品に興味を移すことを「転ぶ」とか、よく調べたなあ、と思う。どんな方法で調べたのだろうか。

ひとつ正確でない点があった。関東圏では「アルプスの少女ハイジ」と「宇宙戦艦ヤマト」の本放映がぶつかり、どちらを観たかでその後はまる作品の傾向が決まる、というところ。自分を含め、周りのオタクはたいていどちらも観ているし、幼少の頃から観る作品の傾向は結構変わるものだ。

本書によると、「萌え」とは「プラトニック的な恋愛感情に近いもの」だそうです。

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2006年5月 9日 (火)

終わりよければ

「最終回がしまらないアニメが最近多い」と、おたく仲間との話の中で出た。思い出した作品が、「LAST EXILE(ラスト エグザイル)」(2003年、監督:千明孝一、制作:GONZO、放映:TV東京他)。

アナトレー・デュシスという国家間の戦争が長く続く、異世界物語。グランドストリームという人間が突破できない大嵐が両国にまたがり、エグザイルという巨大装置が浮かぶ。最終回前半は、少女アルヴィスがエグザイルを起動させ、グランドストリトームは消滅。戦争はついに終結。

後半は後日談のようで、主役の飛行機乗りクラウスやクラウスのナビ・ラヴィ、アルヴィス、艦船シルヴァーナのクルー達が登場。草原の中の一軒家で皆が幸せそうに暮らす様子が描かれる。

舞台は地球らしいのだが、なぜ唐突に地球が出てくるのか、どうやってたどりついたのかわからない(両国家の平和を誓うシーンの後方にエグザイルが浮かんでたが、あれでクラウス達は地球に行ったんだろうか?)。レンタルだったので何度か観返したのだが、どうしても読み取れない。他に、最終戦争でどうみても落命した兵士モランも復活(?)したりと、とてもちぐはぐだ。

最終回前半までは佳作、後半もちゃんと描いてくれれば秀作になったのに残念。終わりよければすべてよし、というが、終わりがしまらないとかなりの失点になってしまうなと感じた。

最終回の失点はあってもそれを上回って余りある、みどころの多い作品だ。シルヴァーナ艦長アレックスとギルドのトップ・デルフィーネの因縁の対決、デルフィーネの弟ディーオの苦悩と護衛役ルシオラの献身的な愛、等々群像劇としてとても面白い。独特の世界観なので謎解きものとしても面白いし、ヴァンシップと呼ばれる飛行機の飛行シーンや艦隊戦も迫力抜群。

最終回を観て理解できた人には解説していただきたいです。

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2006年5月 4日 (木)

それぞれの「萌え」

「萌える男」(著:本田透、ちくま新書)を読んだ。萌えている当事者の書く、萌え関連本だ。

著者の主張はおおざっぱに言って2つ。恋愛資本主義の拒否、萌えは家族の再生。

本書は著者の個人的価値観が綴られている。恋愛資本主義に共感する人はそれでいけばいいのであって、自分に強要しないでほしい、そっとしておいてほしい、とのこと。自分の萌えを、心穏やかな精神状態下での、家族に対する愛情に似たものととらえている。

日本のクリスマスイブ狂騒曲を思い返すと、恋愛資本主義の本質や殺伐さを冷静に分析していて興味深い。

ただ、恋愛資本主義が妥当するのもせいぜい10代後半から20代前半、人生の中で一部の時期なんじゃないだろうか。いかに関係を続けるかの方が難しいし、2年もすれば夫婦間の愛情もたいてい冷めてしまう。

日本中が恋愛資本主義に覆い尽くされている、とまでは思えない(TV番組の内容はそうかもしれないが)。少し著者は過敏すぎるように思う。だから、著者には「ガンダム 逆襲のシャア」や「エヴァンゲリオン」が、恋愛ドラマに見えるのだろう。

著者は深夜の萌えアニメに凝っているらしい。「ローゼンメイデン」とか「リリカルなのは」とかのキャラクターに思い入れが強いのだろうか。

キャラ萌えでよくみるのが妹萌えだ。妹は他の女性と明らかに異なる。妻といっても所詮赤の他人、いつ自分の元を去って行くかわからない。恋人なんてもっと薄い関係だ。その点、妹はいつまでも死ぬまで妹である。自分を裏切らないし、自分を頼ってくる。妹萌えは、そんな安定した家族の関係を持ちたい、というあらわれなんだろう。

キャラ萌えというと、Hな妄想をしているんじゃないかと思われるが(もちろん妄想してる人もいるけど)、そんなひとくくりにはできない、ということがよくわかる著作だ。あらためて人それぞれの「萌え」があるんだな、と思った。

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2006年5月 1日 (月)

日本アニメのエッセンス

「BLOOD+」(2005年、監督:藤咲淳一、制作:ProductionI.G.、放映:MBS他)が面白くなってきた。

何かと注目を浴びる土6アニメだが、1クール目はぱっとしなかった。3月くらいから、各キャラクターの役回りがだんだんはっきりしてきて、ストーリー展開が加速してきた。

バンパイヤ物というと、血を吸われた人間もバンパイヤになる、というのがお定まり。「BLOOD+」では、バンパイヤでも色んな分類があり、結構複雑な人間模様だ。

主役女子高校生(だが何百年も生きつづけている)、小夜(さや)の育ての父ジョージは、翼手(よくしゅ)に襲われ同じ翼手に。小夜の従者ハジは何百年か前事故死したところ、小夜の血をもらってシュバリエに。兵器として人間が人工的に作った翼手達はシフと呼ばれている。

小夜はバンパイヤの中でも特別な存在で、その血は翼手を倒す力を持つ。シフは小夜の妹ディーバの血から作られ、シフのひとりイレーヌは最新話で小夜の血により「死」を迎えた。

ストーリーは、基本的には小夜の属する「赤い盾」とディーバの陣営との対立。お互いの血がお互いの切り札という点で、姉妹でありながら両雄(女の子だけど)並び立たない、という関係らしい。

ディーバは小夜に「なぜ姉妹なのに敵対するのか?」と、問いかける。動揺する小夜。ジョージのこと、義弟リクがディーバにより死を迎え、自分の血によりシュバリエとして生きかえらせ、リクの「時間を止めた」ことから、ディーバ陣営と対決することを決心する。

ディーバのシュバリエのひとり、ソロモンは小夜と闘いたくない様子。義兄カイはイレーヌを救うため小夜に血を分けてくれと頼み、シフ達と手を組みたいと提案する。

海外ではバンパイヤ物といえば、吸血鬼が美女を毎夜襲う→勇気ある若い男が聖木で作った杭を吸血鬼に打ち込み、退治→街は平和を取り戻す、といったパターンだ。

日本ではなんといっても萩尾望都のコミックス「ポーの一族」の影響力が大きい。バンパイヤも好きでこんな身体になったわけではない、血を吸わないと生きていけないのに、なぜ正体を隠して何百年も生きつづけなければいけないのか等々。

「BLOOD+」も基本的にこの流れを受け継いでいる。家族が敵味方、悪役がいない、バンパイヤが悲しい定めを背負っている、対立しあう陣営にそれぞれ闘いに懐疑的なキャラクターを配置する、異質なものとの共存を探る等々。

日本アニメのエッセンスがつまっているな。

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2006年4月28日 (金)

乙女心を読み解くと

「桜蘭高校ホスト部」(2006年、監督:五十嵐卓哉、制作:BONES、放映:日本テレビ他)を、「薔薇でも百合でも」でいただいた、しおさんのコメントの視点から観ると興味深い。

超お金持ち家庭の子女しか入学できない学校に、庶民家庭のハルヒが特待生として入学。たまたまホスト部の800万円の壷を壊したことから、借金返済のため入部。

ハルヒは女の子なのだが、最初誰もが男の子だと誤解している。ホスト部の紅一点なのでともすれば視聴者からやっかみを受けるところだが、受けないようなキャラクター設定だ。

ハルヒは「女」を武器にしない。巨乳でないし、きれいな黒髪ロングヘアーも「ガムがついたから」と、躊躇なくばっさり切ってしまう。「(自分が)女とか男とか気にしない」と言ったりする。

ホスト部なんてところだから、顔・スタイルに自信のある男子高校生ばかり。上流家庭の息子達なので、ちょっと世間からずれた感覚の持ち主が多い。ハルヒは冷静に「金持ちどもめ・・・」と悪態ついたりする。視聴者の視点を持ち合わせたキャラだ。

そんなハルヒでも、部長で指名率トップの完璧美少年環(たまき)はぞっこん。このあたり、ヒロインは必ずヒーローにもてるという王道少女漫画の鉄則はきちんと生きている。

女性ファンがハルヒに感情移入しやすいようにできているのだ。一番格好良いヒーローは女にとられたくない、女であっても許せる女に、できれば男に、がベスト。独占欲の強い女性ファン心理を読み解くとこのようになる。原作者は乙女心をよく理解しているのだな、と思う。

ハルヒはホスト部部員にだけは女の子であることがばれても、ホストをするので男の子の格好をしている。一見、男が男に夢中な設定、薔薇アニメの入門編かもしれない。

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2006年4月27日 (木)

賛同するところ賛同しないところ

「「ジャパニメーション」はなぜ敗れるか」(角川書店、著:大塚英志、大澤信亮)を読んだ。

賛同できるところと賛同できないところがあった。当たり前かもしれないが、著者は漫画原作者と漫画評論家という業界の中の立場、自分は1ファンという立場なので、見方が異なるのだろう。

賛同できるところとしては、国策としてアニメ産業振興を唱えている指導者層の真意を見極めるべき、という点。よく目につく人は、石原慎太郎都知事、山田宏杉並区長、政界では高市早苗議員など。

日本のコンテンツに国際競争力がある理由として、日本に「国力」があるとか、日本の「国威発揚」だとか、果ては日本民族が優秀だからだとか主張したりしている。

しかし、彼らが本当に作品の内容をふまえて主張しているのかは疑問だ。東京アニメアワードでの石原都知事の講評は、「最近似たような作品が多い。日本人は優秀なんだからもっと面白いのを作れ」だった。受賞した作品は「鋼の錬金術師」「Zガンダム」「蟲師」「ブラックジャック」「名探偵コナン」など。明らかに作風が違うものばかりだ。おそらく作品も観ないで適当に講評したのだろう。

世界の中で日本をどうしても誇示したくて、タイミング的にたまたま合ったのが日本アニメ・コミックだったんじゃないか。

筆者は、そんな人達といっしょにいわば同床異夢状態になって「ジャパン・クール」だ、などとうかれていると足元をすくわれる。日本経済が少し上向きになって来たら、まっさきに見捨てられるぞ、と警告を発している。

賛同できないところは、まずひとつは、ジャパニメーションはハリウッドの模倣にすぎず、なんらオリジナリティはない、というところ。本書は2部構成となっているが、第1部は戦前から現在までのアニメ・漫画を具体例に延々とこの主張をしている。

あげられている具体例は、遠近法やら透視図法やらの技術的な表現方法だ。日本のアニメ作家が、ディズニーのフルアニメに憧れていたのは周知の事実で、今さら延々と述べる必要はないと思う。

日本アニメの面白さやオリジナリティは、表現方法というより、ハリウッドではなかなか出せないメッセージないしテーマ性にあるんじゃないか。正義と悪は絶対的なものではなく、自分にとっての正義が必ずしも他では正義ではない、正義と悪の二項対立では問題を解決できない、単純な勧善懲悪を否定する、異質なものとの共存共栄を探る等々。

本書でも最後の最後にちらっと、日本アニメ・漫画には「倫理」がある、と筆者は述べている。これがメッセージないしテーマ性のことを言っているのかもしれない。この点にもう少しページをさいてほしかった。

もうひとつ、国や自治体はいっさいアニメ産業振興に口を出すな、と筆者は主張する。

これは現場の窮状をあまりにも無視した意見だ。大塚氏はコミックスの原作者だが、コミックスの現場の方が、アニメ制作の現場に比べてまだ状況が深刻でないからかもしれない。

確かに、筆者がいうように、国や自治体がコンテンツの内容に介入するおそれはある。しかし、透明な手続きのもとでチェックアンドコントロールをきちんと行えば、そのようなおそれは回避しうると思う。議会なんてものはそのためにあるのだ。制作者が自由に制作できるような支援策は十分考えられるのでは、と思う。

第1部は読み物としてはいいのかもしれないが冗長、第2部をもっと展開してほしかったところ。

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2006年4月19日 (水)

薔薇でも百合でも

「今日からマ王!」(2005年、監督:西村純二、制作:スタジオディーン、放映:NHK教育)地上波放送が再開した。

すでにBS2では放映終了だが、NHK教育で半年遅れくらいで放映していたのが、昨年末いったん中断、4月から残りの放送分がスタート。

ごく普通の男子高校生有利(ゆうり)が突然異世界にとばされ、眞魔国の魔王となり、人間と魔族の共存に奔走。剣豪対決やら、魔術VS法術の対決やら、魔剣探しのアドベンチャーやらを程よいギャグで包んでいる。

「マ王!」で特筆すべきは、やはり、男性キャラクター同士の関係を描いていること。キャスト欄は上から7人くらい男性キャラが続く。護衛役騎士コンラッド(男)は有利に心身捧げているし、有利のフィアンセ・ヴォルフラムは超美少年、魔王教育係のギュンター(男)は有利にマジにべた惚れ、などなど。魔王陛下はありとあらゆる男性から好かれている、薔薇系アニメだ。

NHKでこんなアニメをやるとは、と放映開始当時話題になっていた。たまたまTVをつけたらオンエアに遭遇(午前0時と深夜アニメにしては開始が早い)、意外と本格的なヒロイックファンタジー物だと気づく。剣あり、魔法あり、ただしお姫様は出てこないが。

最近こういった男同士や女同士(こっちは百合という)の関係を描くアニメが多くなっている。

すでに二次創作では「キャプテン翼」以来、薔薇系のボーイズラブは大盛況。スーツケースを持った女性ファンが大量に同人誌を購入する姿は、東京ビッグサイトや東池袋でお馴染みになった。商業ベースでも、アマゾンではボーイズラブを独立したコーナーで設けるようになった。

この流れが18禁や耽美系などで区分されていない、一般の作品にも波及してきたのだろう。

以前雑誌「日経キャラクターズ」で、なんでそんなに女性達が男同士の恋愛に「萌える」のかよく分からない、という記事を見たことがある。

そんな女性達も日常生活ではほとんどはヘテロ(異性愛)志向なので、その心理状態の分析は難しい。ヘテロを過剰に強要される社会で、あえて同性を愛する姿に純粋さを感じるからだ(と思う)。特に横並び意識・マッチョ志向の強い日本では、乗り越えなければならない壁が厚く、それが一層「萌え」を助長する(と思う)。たいていのカップルは対等な関係を築けていることも魅力のひとつなんじゃないだろうか。

それでも日本では同性愛物というとまだまだ偏見が強い。男性はまず嫌悪するし、女性でも気持ち悪い、という人は多い。

海外では、「ブロークバックマウンテン」がアカデミー賞作品賞をとるか注目されたり、前の米大統領選挙では同性婚の是非が争点となったり、欧州ではもう何カ国も法的に同性婚を認めている。

振り返ってみると、コミックスでは「日出処の天子」や「トーマの心臓」など薔薇系名作が結構ある。結局、薔薇でも百合でも佳作はあるし、そうでない作品もある、ということだろう。先入観なしに観てみることが大事なんだと思う。

「マ王!」でお姫様は有利だとすれば、完全正統派ヒロイックファンタジーだな。

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2006年4月14日 (金)

とにかく第1話(下)

第1話を観る前に第2話がDVDレコーダーに溜まっていく・・・。

つづき行ってみよ~。

「桜蘭高校ホスト部」

原作付き。学園ギャグ物。ヒロインが男装。テンポ良く面白い。シリーズ構成は「少女革命ウテナ」の榎戸洋司。演出、背景美術も「ウテナ」に似ている。「ウテナ」ファンは1度は観ることをおすすめ。坂本真綾の冷めた演技と宮野真守のはじけた演技が良い。奇抜なタイトルの割りには少女漫画の王道。

「プリンセス・プリンセス」

原作付き。学園ギャグ物。こちらは男が女装。男子校で可愛い1年生が「姫」に選ばれゴスロリ衣装を着させられる。視聴者を選ぶ作品。

「妖逆門(ばけぎゃもん)」

原作付き。妖怪物。主役は妖怪の側についてお札みたいので闘う。キッズ向けのようだが結構複雑なストーリー。

「銀魂(ぎんたま)」

原作付き。ジャンプ人気漫画。ギャグ物。侍とその仲間がよろず屋をやってるが、ノリが昔のTVドラマ「俺たちは天使だ」に似ている。ゴールデンタイム放映でサンライズがかなり力入れてそう。作画最高レベル。

「いぬかみっ!」

原作付き。犬神と犬神使いの事件解決物。ギャグ、ラブコメっぽい。「うる星やつら」みたいだな。

「×××Holic」

原作付き。願いをかなえる女性魔術師(?)に、霊にとりつかれた男子高校生が悩み相談に訪れる。軽いノリ。キャラデザイン、背景デザインが特徴的。福山潤、主役多いな。

「ウィッチブレイド」

オリジナル。SFアクション物。主役はシングルマザー。デビルマンみたいに変身して闘う。

「SAMURAI7」

黒澤明「七人の侍」ベースにしているが、実質オリジナル。BSで放映していたのが地上波に回ってきた。SFと時代劇?宇宙船が飛ぶ未来世界と農村百姓社会が並存。

「獣王星」

原作付き。SF物。未来世界で双子の男の子が誘拐され、植物が攻撃してくる異星に飛ばされる。主役キャストが途中から堂本光一にかわるので、要注意。

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2006年4月12日 (水)

効かない胡椒

「交響詩篇エウレカセブン」(2005年、監督:京田知己、制作:BONES、放映:MBS他)の最終回を観た。

昨年4月スタート、4クールのオリジナルSFロボット物。この1年間TVアニメをひっぱってきた作品だ。

期待していたほどには・・・というのが正直な感想。期待値が高かったからだろうか。

あまりにも「エヴァンゲリオン」に似ているのだ。

世界の鍵を握ってそうな美少女・エウレカがいたり、意思を持ったロボット・ニルヴァーシュが主役・レントンやエウレカと心の交流(?)をしたり、人類補完委員会みたいな権力者がいたり、宇宙生命体スカブコーラルと人類が1つになる、云々・・。

過去の作品と似ているからダメ、というのではない。このブログでもあげた「蒼穹のファフナー」も「エヴァ」によく似ているが、傑作だ。「エヴァ」ストーリーの新解釈やその先が描かれ、オリジナル性が感じられたからだ。

「エウレカ」もそれなりにオリジナル性を出そうとしていた、とは思う。レントンとエウレカの信頼関係構築を、人類とスカブコーラルの共存の鍵としたり、音楽をモチーフとしていた(セカンド・サマー・オブ・ラブというネーミング、各話のサブタイトルは音楽史に残るヒット曲)。

しかし、レントンとエウレカの関係は(大人のホランド・タルホ、ドミニク・アネモネもそうだが)、罵り合うかやたらべたべたするか両極端で、なんだか違和感を感じた。音楽もゲッコーステイトの自由闊達なノリを表しているくらいで、別になくてもストーリー上構わないアクセサリーみたいだ。

効かそうと思ってかけたが、効かなかった胡椒のようだ。

それでも毎週楽しみにしていたから、一見の価値はあり。作画、絵の動き、背景美術は最高レベル。

ホランドの兄・デューイが悲しい悪役を演じていた。デューイの部下、軍人ドミニクをもっとうまく動かしていれば面白くなったのかも。

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2006年4月10日 (月)

とにかく第1話(上)

4月スタートのTVアニメラッシュである。

実感として異様に多い。週100本超えたんじゃないか。

めぼしいものをDVDレコーダーに録画予約したら、既存4月以前のものを含めて20タイトルになってしまった(!)途中から観始めると分からないので、とにかく第1話だ。幅を広めにとって録画したのだが、かなり取捨選択していかなくては。

これでもBS・CS、UHF局は入らないのだが・・・。というわけで、各タイトルひとことコメント。

「牙」

オリジナル。アクション物。主役男の子に特殊能力あり。これから異世界に行くらしい。

「ARIA THE NATURAL」

原作付き。昨年末まで放映していた続き。ウンディーネというゴンドラ漕ぎの少女の物語。前作は背景美術、音楽が秀逸だった。

「シムーン」

オリジナル。異世界戦争物。片方の陣営は女性しか闘わない。「男になります」という台詞は、男になったり女になったりできるのかな?巫女ふたり乗りの戦闘機は彼女達のキスで起動する。百合系か。

「ガラスの艦隊」

オリジナル。宇宙艦隊戦争物。貴族圧制下で人民軍反乱が起きる。その頭が主役(男か女か不明)。プライド高い将校やら海賊やら出てきて、スペースオペラ風。

「ドットハックルーツ」

もともとゲーム原作。何年か昔「ドットハックサイン」を放映してたが、これも本作も派生作品のようだ。ゲームの世界が舞台で今回も謎解き物っぽい。OP曲は梶浦由記。

「ゼーガペイン」

オリジナル。ロボット物。新作では唯一なんじゃないか。ナビ女性とパイロットで操縦する。お決まりの、主役がいきなりパイロット。過去にも操縦してたようだが。敵が何物か不明。

「少女チャングムの夢」

人気韓流ドラマ「チャングムの誓い」の少女時代。純韓国産アニメ。チャングムが宮廷にあがるところからスタート。色彩設計からして(原色ベースにしている)キッズ向けかな。

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2006年4月 4日 (火)

東京国際アニメフェア(下)シンポジウム

ビジネスデーに開催された公開シンポジウムに参加した。

期間中11のシンポジウムが開催され、「制作現場からの提言2006-高画質時代のディジタルアニメ制作」と「アニメーション制作の資金調達情報2006」に参加。前者はクリエイター向け、後者はプロデューサー・マネジャー向けといったところ。

「ディジタルアニメ」

画面が大きくなると画質が低下する、とのこと。VHSでは(ビデオ?)20インチを超えるとかえって画質が低下するそうだ。だから、たとえば劇場版では、解像度(画面の大きさ?)をHDとか2Kとかにして制作するらしい。「攻殻機動隊S.A.C.」はTVシリーズながらもHDで制作、ハリウッドでの推奨は2Kだそうだ。普通のTVシリーズは一番小さいD1、どれだけ大きくできるかは予算に左右される。

色の種類は8ビット下では1677種作れるそうだ。ビット数が上がると色の種類も増える。最近のアニメは中間色が豊富なわけだ。

データ管理や人間の目での色チェックなど、ディジタル化に伴う不都合をいかに回避するか、という話がなされていた。

興味深いのだが、クリエイターではない自分には、話についていくのは少ししんどかった。

「資金調達情報」

関心を集めているのか、満席。「ディジタル」の方はラフな服装の現場関係者が多かったが、こちらは聴衆のほとんどはスーツのビジネスマン。

資金調達法として、製作委員会方式、LLP(有限責任事業組合)、信託型(映画「北斗の拳」はこの方法だそうだ)、日本・アメリカの例をあげながら、各タイプのメリット・デメリットがパネリストの間で議論された。

シンポの目玉は4月スタートの都が行なう「動画革命東京」。http://www.anime-innovation.jp/index.html