海外で人気のある作品(下)
「千年女優」(2002年、監督:今敏(こんさとし)、制作:マッドハウス)について。
ときは明治。主役の女学生・千代子はひょんなことから政治犯として追われる画家をかくまう。この画家は千代子に鍵を預け中国に逃亡。彼に恋する千代子は鍵を返しに会いたいという想いだけで、中国でロケを行う映画に出演を承諾。千代子の恋する女性の演技は観客を感動させ、女優としてのスタートを切る。
その後、戦国時代の落城の姫、女忍者、遊女、など千代子は想い人を追いかける女性を演じ続ける。各場面の切り替えが流れるように華麗だ。千代子はただ自分の想いに忠実に動いているだけだが、観客は千代子の演技に本物の香りを嗅ぎ取り、出演作品は立て続けに大ヒットする。
「千年女優」は、スペインやカナダで国際映画祭の作品賞を受賞している。ストーリー、演出、映像とも芸術的要素の強い作品だ。2002年というと「千と千尋の神隠し」がメガヒット、これに隠れてあまり注目されていないのが残念。
今敏は、本作以外にも「パーフェクトブルー」「妄想代理人」と、人間の思い込みや妄想を描くのが得意だ。だんだん現実と妄想の区別が、登場人物にも視聴者にもわからなくなってくるところが見せ所。「千年女優」ではこの千代子の思い込みを美しく哀しく描いている。
何十年も千代子は「鍵の君」を捜すが、ある日、名前も顔も覚えていないことに気づく。最後のシーンの千代子の台詞は、「あの人を追いかけている私が好きだった」。
ストーカーが相手を追いかけるのは、相手を好きだからではなく、追いかけている自分に陶酔しているからだ、と聞いたことがある。どきっとさせられる映画。
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コメント
今敏の映画が好きです!
「妄想代理人」は30分弱の枠では物語が遅々として進まず、
途中で見るのをやめてしまいましたが。
(でも、いずれレンタルでまとめて見てしまいそうです)
「東京ゴッドファーザーズ」も名作ですよ~。
なぜ実写でやらないの?なんて事を言う人もいるそうですが、
アニメだからいいんですよ、ね!
投稿: フェルミウム | 2006年6月13日 (火) 21時27分